かくれんぼ

なんで俺が ページ15

〜北人side〜




『け…健二郎さん…』


健二郎:「北ちゃん…ぐっ！あがっ…ぁぁ…」


『健二郎さん！違う！これは違う！俺から触ってない！俺はまだ誰も…誰も殺してない！』


健二郎:「生き……ろ……」









…また目の前で人が死んだ。




しばらく苦しんで、最後の最後に力を振り絞って


俺に生きろ。って言った



…この言葉絶対忘れない




健二郎さん。俺、健二郎さんのぶんまで生きます。


絶対無駄にしません。



…ありがとうございました



心の中でそう思いながら、静かに健二郎さんの死体に向かって深々と頭を下げた









A:「北人くん…？北人くんが健二郎さんを殺したの？」


『A…』









Aにとって健二郎さんは、お兄ちゃんみたいな存在で


すごく可愛がられてた



いっぱい弄られてたけど、そんなAも楽しそうで



そんなふうに可愛がってくれた人の死体を見るのは辛いよな

しかも、殺したのは彼氏の俺。



俺、Aに嫌われたかな


もう終わりかな









『ごめん』


A:「…しょうがない。しょうがないの。これは、北人くんのせいじゃないから。…なのにっ…」


『A…』









俺は鬼だから触れちゃいけない


そんなことも忘れて、今にも泣きそうなAに少しずつ近づいた









A:「こ、こないで！」


『っ…ごめん』


A:「あ…ごめんなさい。…でも今は北人くんのそばにいたくない」









それだけ言って、俺に背を向けて走り去っていった



好きな人から嫌われて、捨てられるくらいなら


死んだ方がずっとマシ。



健二郎さんの代わりに俺が死ねばよかったんだ









『なんで俺が鬼なんだよ…！』









唇を噛み締めて


拳を床に叩きつけた




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