かくれんぼ

プロローグ ページ1

『んっ……いてて』


北人:「A大丈夫？」


『う…ん。…ここは？』


北人:「よく分かんないけど…ただひとつ言えるのは、廃校になった学校だと思う」









上体を起こしてあたりを見回すと、大学で同じサークルの子が沢山いて


中には、OGの先輩も何人かいて



私と北人くんを含め、みんな制服を着てた


制服なんて着たの三年ぶりくらい



って、今はそんなのどうでも良くて


この状況は一体何？









萩花:「夏恋、大丈夫？」


夏恋:「うん。…なにこれ」


玲於:「マジで何なんだよ。ドッキリ？」


健二郎:「てか、この首についてるやつ何やねん」









こんな感じで、みんなパニック状態


私も実際そうだし。



そういえば、健二郎さんが言ってた首輪みたいなものなんだろう？




なんて、色々混乱してたら、スピーカーから放送が流れてきた









《えー。ここに集まった皆さんは、かくれんぼのプレイヤーとして選ばれました。》









壱馬:「かくれんぼ？」


涼太:「あの、子供の時によく遊んだやつ？」


龍:「それしかないですよね…」









《ルールは簡単。鬼は逃走者を見つけ、逃走者は、鬼に見つからないように隠れるだけ。》









隆二:「そのまんまのルールじゃん」


臣:「いや、普通じゃないから、ここに集められたんだろ」


『普通じゃない…』









《ではこれから、鬼を指名したいと思います。鬼は…》









みんなが一気に静かになった


混乱してる人は沢山いたけど、放送を聞くのに夢中で誰も音を立てない


教室の空気が重いのがよくわかる









《鬼は…ボーカルの皆さんです》









龍友:「はぁ？この歳でかくれんぼはやらんわ」


伶菜:「じゃあ、パフォーマーの皆を見つけるってこと？」


柚那:「そうですね」


陸:「俺らも…」


直人:「えっと、ボーカルは全員で何人？」


直己:「11人じゃない？」









登坂さん、今市さん、伶菜ちゃん、夏恋ちゃん、璃ちゃん、柚那ちゃん、龍友くん、涼太くん、陸くん、壱馬くん、北人くんの11人が鬼で



私は、ボーカルじゃないから、逃走者ってことか…



北人くんと同じチームじゃないのは心細いけど、ゲームだから仕方ないよね


たまにはいいのかも。こうやって、初心に帰って、みんなで遊ぶのも









でも、私はこの時知らなかった。


このゲームが命懸けのかくれんぼだったなんて…



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