海とマーメイド

幸せの意味 ページ42

放課後になって

いつもより早めに教室を出た



自分から呼び出したんだから、臣くんより早く行かないと




なんて思ってたんだけど


屋上に繋がるドアを開けた先には臣くんの姿があって



私に気づいてないのか、ずっと校庭を見てる


話しかけずらい…

でも、いかないと









『…臣くん。ごめんね。呼び出しちゃって』


臣:「ううん。大丈夫」


『えっと…』









何から言えばいいんだろう。

単刀直入に？それとも、ちょっと遠まわしに？









臣:「返事…だよね？」


『あ、うん。そう』


臣:「考えてくれた？」


『考えたよ。考えすぎて、寝れなくて、クマができるくらい』


臣:「え。うそ。ごめん。そんなに追い詰めちゃったか」


『ううん。それくらい、じっくり真剣に考えられたの』









そっか。って、臣くんが呟いて

少しだけ間が空いて



ドキドキする鼓動を整えてから

言葉を発した。









『私、臣くんが好きです。こんな私でよかったら、付き合ってください』


臣:「…ホントに？マジで？うわ。待って。やばいこれ」


『臣くんの優しさとか、カッコよさとか、そういうの知っちゃったら目が離せなくなっちゃって…』


臣:「うわぁ。すげー嬉しいんだけど。このまま死んでも悔いないわ」


『え。やだよ。死んじゃうなんて』


臣:「嘘だよ。冗談だって笑」









臣くんが微笑んで

それにつられて私も微笑んで



これが幸せなのかな？

辛いことが起きた後にはちゃんと幸せになれるっていうのはよく聞くけど


まさにこのことかもしれない









臣:「俺、しつこいくらいに一途で、ちょっと嫉妬深いけどいい？」


『私も、すぐに嫉妬しちゃうし、泣き虫だし、一途だよ。大丈夫？』


臣:「むしろ、そんな子と恋をしてみたかった」









また二人で笑いあって


じゃあ、帰ろっか。って、自然と手を繋いでくれたりとかして




もうほんとに幸せすぎてニヤけちゃう


偽物から始まった恋だけど、本物になったから



この恋は無くならないようにゆっくりゆっくり成長させていかないと

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