お人好しだから ページ48
『えっ…？』
一瞬、玲於くんが何を言ったのか分からなかった。
玲於:「だから、戻ってきなよ。」
『いや、…え？』
戻ってきなよ。って…シェアハウスに？
え？玲於くんからの本心？
隼くんとか誰かから頼まれてるんじゃないの？
玲於:「って、ごめん。勝手だよね。俺が追い出したくせに戻ってこいとか」
『……うん。』
ほんと。勝手だよ。…私だってできるなら戻りたい。
またあのシェアハウスでみんなと過ごせたらどんなに嬉しいか。
でも…やっぱダメだよ。
『ごめん。その…それじゃあ、お兄ちゃんにも悪いし、やっぱりこの距離がいいかなって』
玲於:「…そっか。ごめん。冗談だから忘れて。」
玲於くんが謝ることじゃないのに。
むしろ、謝るのは私の方なのに
玲於:「…今日はもう帰ろうか。疲れてるでしょ。」
『うん。そうだね。また明日ね』
微妙な空気のまま玲於くんと別れる
あ、終電逃した。
…タクシーで帰るか。
･
･
『ただいまー…』
蒼空:「おかえり。遅かったね。残業？」
『あ、うん。』
蒼空:「あ、そうだ。この間言ってた曲。一番のサビだけ覚えたよ」
『ちょっとしか覚えてないじゃん笑』
どうしよう。そら兄に言おうかな。
でも、言ったら困らせちゃうかな。
そら兄、お人好しだからな。
蒼空:「あの曲のサビいいね。目と目が合って笑って〜。だっけ？」
やだ。今そんな幸せな歌聞きたくない。
『今はその歌聞く気分じゃない…』
蒼空:「なに。どうした？失恋？」
『そんなんじゃないー…。私恋してないもん』
蒼空:「なに。お兄ちゃん聞いてあげるよ？」
『だって、そら兄私のことですっごく抱え込むじゃん。』
蒼空:「そりゃあ、可愛い可愛い妹のことですから。」
私はそれが嫌なの。
私の勝手な事情でそら兄を困らせたくないの。
聞いてくれるだけでいいから。一緒に悩んでくれなくていいから。
『なら、余計話したくない。』
蒼空:「もー。なんで？」
『そら兄を困らせたくない。悩んでくれなくていいの。聞いてくれるだけでいいから。』
蒼空:「…わかった。じゃあ、とりあえず、何も言わない。静かに聞いてるよ。」
ああ。まただ。
そら兄の優しさに甘えていつまでも助けを求めて
でも、こんなことそら兄にしか話せないの。
ごめんね。
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こもりん(プロフ) - も えさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて、嬉しいです！楽しんで読んでください♪ (2017年4月4日 10時) (
レス) id: c137379bdb (このIDを非表示/違反報告)
も え - 今日初めて読んで、いっきに読んじゃいました笑キュンキュンするし、面白いし、泣けるし、いろんな要素がつまってて読んでて飽きませんでした！2もさっそく読んでみたいと思います！こもりんさんのファンになっちゃいました笑これからも頑張ってください！応援してます (2017年4月4日 10時) (レス) id: 15713a1589 (このIDを非表示/違反報告)
あらこもり - うん♪頑張れ!! (2017年2月18日 12時) (レス) id: 08e1534ff2 (このIDを非表示/違反報告)
こもりん(プロフ) - あらこもりさん» ありがとう！頑張るね♪ (2017年2月18日 12時) (レス) id: c137379bdb (このIDを非表示/違反報告)
あらこもり - そんな〜笑面白いキュンキュンなストーリーを書いてくれるみづのファンはいっぱいいるから私だけじゃないもんね〜でも一番応援してるからね!!!頑張れ♪ (2017年2月18日 11時) (レス) id: 08e1534ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こもりん | 作成日時：2017年2月4日 0時
