第88話 ページ42
(冨岡義勇side)
不死川は、思ったことをはっきりと言うタイプだ。
その内容が乱暴であることも少なくないが、
自分の思いを言葉にするのが苦手な俺にとっては、羨ましいところでもある。
そして、不死川は強くて優しい。
いつも恐ろしい表情を浮かべ、口は悪いし態度も悪い。
だけど不死川は良い奴なんだ。
目を見ればわかる。
誠実な人間は瞳に曇りがない。目は心の窓なんだ。
それでも今回のことは許せなかった。
Aに対してあんなに言うなんて、いくらなんでも言い過ぎだ。
不死川を健気に想って頬を染めるAを、
不死川に冷たくされて涙するAを、
俺は知っているから。
不死川は霧柱の正体を知らないから、仕方ないことなのはわかってる。
わかってるが、Aのことを思うと我慢ならなかった。
「見損なった」
不死川が何か言っているが、これ以上話すことはない。
無視して帰った。
・
・
「こんばんは、冨岡さん。今宵は月が綺麗ですね」
「胡蝶か」
蝶屋敷の前を通りかかった時、胡蝶と会った。
Aのことを聞こう。
そう思って口を開くより先に、胡蝶が話し出した。
「そういえば先日、負傷した隊士を運んで頂きありがとうございました」
「…！！」
そうやって礼を言うということは、助かったのか…？
「どうなんだ」
「…それはその隊士の容態について、という事ですよね？」
「……(コクリ」
「ハァ、相変わらず分かりにくいですねぇ。まぁ良いです。
…彼女は一命を取り留めました。
ですがそれだけ。寝たきりで意識は戻っていません。
あらゆる臓器は死なないギリギリの機能を保っているに過ぎませんし、いつ死んでもおかしくありませんね」
そんな…
「他にできることは」
「残念ながら、ありません。
目覚めるか、死ぬか、
どちらになるとしても、待つしかありませんね」
目を伏せた胡蝶。
もう話すことはないようだ。
「見舞いに行っても良いか」
「お気持ちはわかりますがお断りしています。
彼女は今かなり衰弱しており、抵抗力が弱いんです。
私たちなら放っておけば鼻水程度で治るような風邪でも、今の彼女にかかったら命取りになります。
出来るだけ外部との接触は避けたいんです」
「…そうか」
力になれずすみません。
そう謝った胡蝶の声は、珍しく弱々しかった。
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れみ(プロフ) - 華花。さん» 華花。様はじめまして！コメントありがとうございます！とても嬉しいです…！続編でも頑張りますのでこれからも呼んでいただけると嬉しいです！！ (2021年11月3日 15時) (
レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - Royal×Edenさん» いつも感想ありがとうございます！続編でもまた会えるのを楽しみにしてますね！ (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。れみ様の書かれる言葉の一つ一つが物凄く好きです！お忙しいとは思いますが、体調にお気をつけて更新頑張ってくださいね。続編も楽しみにしております！ (2021年11月2日 21時) (レス) @page49 id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます！実弥たくさん出せるように頑張りますね！！また続編でお会いしましょう〜！ (2021年11月2日 0時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
Royal×Eden - れみさん» れみさんこんばんはRoyal×Edenです！！夜中までお仕事お疲れ様です。最近は余り仕事の続きやらワクチン接種で感想が遅れて大変御迷惑をかけてしまいました(´д｀|||)いよいよ第三章に入りますが一体ヒロインはどうなるのか気になってきます(^w^)♪ (2021年11月1日 19時) (レス) @page49 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみ | 作成日時：2021年4月21日 19時
