第82話 ページ36
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朝日が昇る。
残り時間はもうない。
「勿体無いことをした。お前をこんな中途半端な形で失うのが惜しい…!」
猗窩座は私を離した。
私の体は重力に負け、べしゃりと地面に潰れる。
奴はそのまま私から離れた。
トドメは刺さないらしい。
つまり私はトドメなど刺すまでもなく死ぬという事だろう。
それか、やはり私が女だからだろうか。
『(もう、考え事すらも苦しい)』
視界が霞んできた。
だんだん薄れていく意識の中、立ち去る直前に猗窩座が放った言葉は、私が欲していたものだった。
「A、お前が死ぬのは残念だ。
……お前は、強くなった」
認められた。
報われた。
何もできなかったあの日から今日まで、私はよく頑張った。
死んだって悔いはない。
そのはずなのに。
最後に頭をよぎったのは、"彼"だった。
その瞬間、やっぱり死にたくないという思いが猛烈に湧き上がるのを感じながら、
私は、深い深い眠りについた。
▽△▽△▽
コソコソ噂話(軽く補足)
夢主が男装してた理由の一つは、猗窩座に強くなったことを証明したいというちょっと歪んだ執着心だったようです。女だと相手にされないのは分かっていたので、男として挑もうと決めていました。
他にも、夢主は村を離れてから縁あって鬼殺隊に入るまでの間、治安の悪いところを点々としていました。
もちろん悪党狩りも始めています。
そこで男に襲われそうになったり、遊郭に売り飛ばされかけたり、女性達に虐められたり…色んな目に遭いました。
これらは自分が女であるせいだ、との結論に至り、自分の身を守るために男装を始めました。
男を装ったら男に絡まれることは減り、女は自分に媚を売ってくるようになりました。
面倒事は減ったけど、人間の欲深さを痛感して人間嫌いがどんどん加速していったようです。
周りの人達に女だからと舐められない為、
そして、
女としての人生など捨てる覚悟で復讐に生きるという決意の為に、男として鬼殺隊に入隊しました。
▽△▽△▽
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れみ(プロフ) - 華花。さん» 華花。様はじめまして!コメントありがとうございます!とても嬉しいです…!続編でも頑張りますのでこれからも呼んでいただけると嬉しいです!! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - Royal×Edenさん» いつも感想ありがとうございます!続編でもまた会えるのを楽しみにしてますね! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。れみ様の書かれる言葉の一つ一つが物凄く好きです!お忙しいとは思いますが、体調にお気をつけて更新頑張ってくださいね。続編も楽しみにしております! (2021年11月2日 21時) (レス) @page49 id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます!実弥たくさん出せるように頑張りますね!!また続編でお会いしましょう〜! (2021年11月2日 0時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
Royal×Eden - れみさん» れみさんこんばんはRoyal×Edenです!!夜中までお仕事お疲れ様です。最近は余り仕事の続きやらワクチン接種で感想が遅れて大変御迷惑をかけてしまいました(´д`|||)いよいよ第三章に入りますが一体ヒロインはどうなるのか気になってきます(^w^)♪ (2021年11月1日 19時) (レス) @page49 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れみ | 作成日時:2021年4月21日 19時