第65話 ページ18
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『澪!今何時だ!!?』
「カァァー!5時!」
げぇぇ…。
任務に意外と時間がかかってしまった。
それに加えて任務地が想像の倍は遠かった。
何が困るって、今日は柱合会議なのだ。
会議の前に、急いで屋敷に帰って湯浴みして身を清めて汚れた隊服を着替えて報告書を書いてご飯食べて…
うーん、寝て休む暇はなさそう。
会議の時にうっかりうとうとしないように気をつけなきゃ。
『…というか間に合うのかなこれは』
柱合会議に遅刻なんて事態は何がなんでも避けたい。
疲れた体に鞭を打って、走るスピードを上げた。
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『間に合った…良かった……』
ヘロヘロになりながらお館様の屋敷に向かう。
案の定寝て休む暇はなかった。
屋敷は既に見えていて、もう少しで着きそう。
寝れなかったけど、遅刻しなかったから良しだ。
ここからはのんびり歩いても間に合うな。
柱の訃報は耳に入っていないから、きっと誰も欠けていないんだろう。
個人的に顔を合わせるのは嫌だけど、まぁ誰も死んでなくて良かったじゃないか、なんて他人事みたいに思う。
間に合うことが確定したので呑気に考え事なんか始めていたら、聞き慣れない青年の叫び声がした。
『柱の声じゃない。誰だ…?』
歩きながら耳を澄ましていると、今度は聞き慣れた怒号が。
今のは不死川…?
何があったんだ…!?
疲れていたことなんてすっかり忘れて、屋敷に向かって走る。
「やめろ!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!」
「なっ…!」
『…は?』
私が屋敷に辿り着いたのと、
冨岡が叫んだのと、
初めて見る隊士の青年が不死川に飛びかかったのはほぼ同時だった。
すぐさまガッ!と嫌な音がして、不死川は鼻血を出しながら倒れた。
不死川が心配で様子を見たかったけど、この姿ではできるわけもない。
歯痒い思いをしながらも、遠巻きにことの成り行きを眺めるしかなかった。
『…冨岡、これは何があった(コソ』
「説明する時間はない。お館様がいらっしゃる」
『チッ、使えないな』
「……。」
そうこうしているうちにお館様がいらっしゃり、
鬼を連れた隊士、竈門炭治郎の裁判が始まった。
お館様が現れる少し前、
倒れた彼が心配で眺めていたら起き上がった不死川と目があって、
忌々しげな舌打ちと共に顔を背けられ胸がチクリとしたのは私だけの秘密だ。
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れみ(プロフ) - 華花。さん» 華花。様はじめまして!コメントありがとうございます!とても嬉しいです…!続編でも頑張りますのでこれからも呼んでいただけると嬉しいです!! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - Royal×Edenさん» いつも感想ありがとうございます!続編でもまた会えるのを楽しみにしてますね! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。れみ様の書かれる言葉の一つ一つが物凄く好きです!お忙しいとは思いますが、体調にお気をつけて更新頑張ってくださいね。続編も楽しみにしております! (2021年11月2日 21時) (レス) @page49 id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます!実弥たくさん出せるように頑張りますね!!また続編でお会いしましょう〜! (2021年11月2日 0時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
Royal×Eden - れみさん» れみさんこんばんはRoyal×Edenです!!夜中までお仕事お疲れ様です。最近は余り仕事の続きやらワクチン接種で感想が遅れて大変御迷惑をかけてしまいました(´д`|||)いよいよ第三章に入りますが一体ヒロインはどうなるのか気になってきます(^w^)♪ (2021年11月1日 19時) (レス) @page49 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れみ | 作成日時:2021年4月21日 19時