もう一度……your voice＊3＊ (ページ9)

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翔side

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正直、智くんがあいぱんに買いに行きたいと言った本当の意味が分からなかった。

それは今の智くんにとって、一番つらいことなのかもしれないのに……

「しょーくん、あげる」

お腹いっぱいだから食べて。
これが食事のときの智くんの、お決まりのセリフ。

手のひらサイズくらいのピザパンは、まだ半分も残っていた。

「こんなにいいの？」

今日は、調子悪いのかな。

いつもならそう思って、はいはいって受け取るんだけど…

やっぱり頭から離れない、あの夜のこと

「ねえ智くん……言って、いいんだよ？」

気付いたらそんな言葉が口から出ていた。

「泣いて、いいのに…」

「知ってたの…？」

うん、と頷いて
俯いた智くんを見てた。

そしたら顔が歪んでいって

「ごめん……ひとりにさせて…」

と言ったきり、部屋に閉じこもってしまった。

人の気持ちなんて分からない

手を差し伸べたと思っても、違ったりする

それでも救いの手になりたいって思う。

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