思ヒ出 ページ10
創立時からあるという学校の鐘はまだまだ現役で、その鐘の音がこの学校を選んだ理由の1つ。
だからその音でため息をつく日がくるなんて思わなかった。
「はぁ」
和「幸せ逃げんで」
「和也！びっくりした！」
和「ごめんごめん笑」
「なに、どうしたの？ここ経済の教室だよ」
和「んー迎えに来た」
「この後すぐ会えるじゃん」
和「ええやん偶にはさ」
サッと手を繋がれそうになったのを思わず避ける
「あ」
和「急に手繋いだらびっくりするよな、ごめんな」
あははと笑う顔が寂しそうなのは気のせい？
「違うの」
和「何が？」
不思議そうに見つめられる
まだ和也は知らない、私と誠也くんが付き合ったこと。
今なら……
「あっ」
一瞬でも、思ってしまった。今なら戻れるかもしれない。って
和「どしたん？」
最低だ。好きな人が振り向いてくれない気持ち、私が1番知ってるのに
「違うの…わたし」
和「うん」
声が震える、優しい和也の声が今は辛い
「私！」
末「あっA！今迎えに行くとこやってん」
「誠也くん…」
末「和也も揃って…どしたん？また喧嘩した？笑」
和「してない！してない！Aが何か言おうとしてるからそれ聞くとこやってん」
末「怪し笑」
和「だからちゃうって！笑」
ふらっと誠也くんの手が繋がれる
避ける隙も無いくらいに、自然と。
末「で、Aは何言おうとしたん？」
やっぱり誠也くんは凄い。一気にあんなにバクバクしてた心臓が嘘みたいに落ち着く
「えっと、その……誠也くんと…」
末「あー…和也」
和「なに？え、なになに？」
和也はまだ繋いだ手に気づいてない
末「おれとA付き合うことなったわ」
沈黙、きっと3秒くらいなんだろうけどわたしには3時間くらいに感じる
和「ほんまに！？えぇー！おめでとう！！え？いつから？え、え、おめでとぉ！」
「あ、ありがと」
一体私は何を期待していたんだろう。
まさか和也が泣いてくれるかもしれないって、反対してくれるかもしれないって
思っていたのだろうか。
そんなはず、無いのに
末「あーうるさい、うるさい。ここやとめっちゃ見られるから部室で話そ。はい、ゴー」
和「そやな！え〜お幸せにぃ」
末「気持ち悪いわ！ニヤニヤすんなや！笑」
私も何か言わないと、口をパクパクさせてもマヌケな魚みたいで、声が出ない。
末「はい、行くよ。」
優しく繋がれてた手がぎゅっと抱きしめるみたいに強くなって、私の呼吸も楽になる
誠也くんは凄い。 やっぱり凄い。
でも、どうして思い出すのは和也なの？
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リンスー(プロフ) - コメントありがとうございます！更新速度亀さんなので気長によろしくお願いします！ (2021年9月24日 19時) (
レス) id: 8d41dabc51 (このIDを非表示/違反報告)
enen(プロフ) - めちゃくちゃ好きなお話です！（ ; ; ）大橋くん大好きなのでこれからどうなるか楽しみです＾＾ (2021年9月22日 1時) (レス) id: ccd410e4db (このIDを非表示/違反報告)
リンスー(プロフ) - コメントありがとうございます！これからもご愛読して頂けたら嬉しいです！ (2021年8月25日 17時) (レス) id: 8d41dabc51 (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - うわぁ、どきどきわくわくです (2021年8月20日 21時) (レス) id: 6fcedf22d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンスー | 作成日時：2021年8月7日 2時
