お兄ちゃん、忘れ物だよ!!! (ページ9)

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お兄ちゃんはエーミールさんの所に行くって行ったからそこに行けばお兄ちゃんに会える。

本当は入り口から入らないと、いけないけど、お兄ちゃんが抜け道を教えてくれたからそこから入る。

建物の中に入るには屋上のダクトの入り口は空いてるって言われてるけど、一人で屋上に登るのはお兄ちゃんに怒られる。

『ここらへんの窓開いてないかな』

『あ』

病院のお部屋似たお部屋の窓が開いてる。

『ここからか入ろう』

ごそごそと窓枠を掴み中に入る。お部屋には誰もいなくて、ダクトの口がある。

ワイヤーガンでダクトの口を掴むと巻き取り、天井からぶら下がる。

そのまま入り口を開けてダクトの中に入る。
(もちろん入り口は閉じる)

エーミールさんのお部屋は2階にあるから、道を思い出しながらお部屋に向かった。

「ｰｰｰｰ！」
「ｰｰ…」

『！』

お兄ちゃんとエーミールさんの声！

ダクトの入り口から下を見るとちょうど真下に二人がいる。

『よし』

お兄ちゃんがお家に落として行ったナイフの刃を出す。

息を殺して、

相手が油断しているときに、

振り下ろす！

だっとダクトの入り口を開け、お兄ちゃん目掛けて降りながらナイフをうなじに振り下ろす。

「甘いで、A」

カキンとナイフが弾かれる。

『っ！』

弾かれた衝撃で床に落ちそうになり受け身の体制を取ろうとした瞬間

「っと」

お兄ちゃんの腕に抱き抱えられていた。

『うー』

「また失敗したな」

『がんばったのに』

「殺気が出とったから、次は気をつけんと」

『…うん』

避けられるのはわかってたけど、完璧に守られると悲しい。

「で、Aは新しいナイフを試したかったん？…ってこれ俺があけたんのと違うな」

『お家に忘れてたから、届けにきた』

「そうか。ありがとうな」

大好きなお兄ちゃんに、ありがとうって言われたのに嬉しくない…

『お兄ちゃん、もう一回！』

「えぇよ。裏庭行こか」

ニヤリと笑ったお兄ちゃんの手には今日見せてもらった新しいナイフ。

次は負けない、かすり傷でもいいから当ててやる。

-end-