6 爆豪 side ページ7
第一印象は、違和感だった。
皆、鬼ごっこや家族遊びのような年相応の遊びをしている中、ずっと一人で本を読んでいる、ソイツ。
「Aちゃんは手がかからなくていいわね」
「でも、友達できないのかしら.....？心配ね。」
なんて会話をしているのを耳にはさみ、気になって
声を掛けたのが始まりだった。
勝 「おまえ、いつもひとりだよな！！」
座って本を読むソイツを見下ろす
『それが.....なに？』
ゆっくりと顔をあげる。
こうしてまじまじと顔を見るのは初めてかもしれない。
深い、それでいて澄んでいる、翳りのない紫水晶のような瞳に吸い込まれそうになる。
瞬間、幼いながらもこの少女を自分のモノにしたいと直感的に思った。
勝「しかたねぇからおれがともだちになってやるよ！」
『あなた、だれ？』
勝「ばくごうかつき！！おまえは？！」
『......A』
勝「A！あっちであそぶぞ！！」
パ、と右手を差し伸ばせば少し困惑したように
ゆっくりと左手を重ねた。
その手を握り立ち上がらせるように力を入れる。
勝「Aも入れてあそぼうぜー！」
「いいよー！」 「なにしてあそぶー！？」
......それから、俺は何をするにもAにくっついてまわった。
勝「なー！Aの個性なに！？」
『私は.....刀』
勝「かたな？」
聞き返すと『見てて』とだけ言い、両手の掌を上向きにする。不思議に思うと突然刀がAの両手に現れた。
勝「おぉ！これきれんのか？！」
そう問うと、困ったように微笑んだのは今でも覚えている。
あれから何年も経ったが、Aの隣にはずっと俺がいる。
思いの外優等生なAは、人付き合いも増えたが、俺から離れようとしたことは一度もない。
俺はそれが自慢だった。
ただ、ふとした瞬間にどこか遠い目をして、消えてしまいそうに錯覚することが多く、声を掛けると
誤魔化すようにいつも決まって哀しく微笑むのだ。
......いつか、コイツを心から笑わせられるように
それが、俺であるように望みながら携帯を手に取った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おはぎ(プロフ) - 一部完結しました！ 続編の一樹之陰もよろしくお願いします！！ (2020年8月11日 13時) (
レス) id: 0cc47c4f65 (このIDを非表示/違反報告)
おはぎ(プロフ) - わぁ！！ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2020年8月10日 14時) (レス) id: 0cc47c4f65 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - すごく面白いです。続きが楽しみです！ (2020年8月10日 14時) (レス) id: ee2ee390ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おはぎ | 作成日時：2020年8月6日 19時
