【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ9)

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#8.はじめましてお隣さん？ページ9

隣の部屋から開いたドアに目を向け、
思わず固まる私。

ド、ドアが開いた！！？

どど、どうしよう……！！

今思い出したけど、そういえばこういうとこに住むってことはお隣さんとかに挨拶しなきゃだよね…！？？

どうしようあげる物とかなんっっにも用意してないぃ…！！！

『(ちょまって一人暮らしスタート早々にピンチ！？

こういうのってなんて言ったらいいの！？コミュ力底辺×口ベタな私1人がどうこうする問題じゃないよ！)』

今から爆速でついさっき帰ったお姉ちゃんを連れ戻して一緒に挨拶してもらう？

いやでも流石に挨拶の為だけにお姉ちゃん呼んだらもっとめんどくさいことになりそう……。汗

うーんうーん、と唸りながら頭を捻って試行錯誤していると、

「あれ？」

と、落ち着いた低い声が背後から耳に届いた。

思わずびくりとして固まる体を持ち直しながら、ｷﾞｷﾞｷﾞとブリキのおもちゃような音が出そうな体を声の主の方へ向ける。

落ち着かない目線を目の前の人に向けてみる。

すると、

目の前には、上から下まで真っ黒な緩いスーツっぽい服装に、いかついアクセサリーをつけ、極めつけには整った顔立ち、遠くから見ても高く感じる高身長に、謎に色気のあるオーラを纏ったイケメンが立っていた。

『……！！！』

頭が真っ白になった。

いや、いやいやイヤｲﾔｲﾔ……………、、

『(お゛ね゛え゛ち゛ゃ゛ん゛！゛！゛

た゛す゛け゛て゛ぇ゛っ゛っ゛っ゛！゛！゛！゛)』(泣

脳が完全にぶっ壊れた瞬間だった。

考えることをやめてしまった脳はただただなにも考えることなく、ぐるぐるぐるぐると考える理由もなくまわり続ける。

「……の、………ぁ〜…。

〜〜〜ぁの、………あの？」

『ぇ…？

…………っ！！！！！！////』

頭を傾げながらなんだコイツと言わんばかりの顔をしながらも私を不思議そうな、心配するような様子で私を見やるお色気イケメンなお隣さん(仮)。

驚きの余り後ろへ数歩下がる。

少し前から声をかけられていたようで、ぼーっと脳を動かすのをストップしていた所ら辺から声をかけてくれていたみたいで、焦って声を裏返しながら出来る限りの自己紹介をした。

『あっ、え、ｴｯﾄ…！

きょ、今日からこちらの部屋に住むことになりました！

ｱｯ……………、亜宮っ、Aっていいます…！！

よろしく、お願いします…！』

お隣さん(仮)は、勢い良くﾊﾞｯと頭を下げる私を見てフッと笑ってから優しく自己紹介をしてくれた。