【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ45)

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#43.布教of鑑賞会(＊) ページ45

「いやぁ〜、なんだか悪くない？

こんなにもてなしてもらっちゃって...」

『いいんです。逆にいつもこっちが迷惑かけてるようなものなんですから飲んでください。』

それに残ったら私が困るので飲んじゃってください。とほろ酔いを開けながら続けると、はーいと弾んだ声で喉を鳴らして飲む遊佐さん。

ほんとにビール好きなんだなぁ...。いい飲みっぷり

お腹がいっぱいになった頭でほろ酔いを片手にぼーっと考えていると、遊佐さんが小さく声を漏らした。

遊佐さんが向く方向に目を向けると、テレビ横の棚に綺麗に並べられたDVDを見ているようだった。

「えっと、Aちゃんあれは...」

『ん？あぁ、もしかしてこれですか？私の趣味のひとつっていいますか...気に入ったアニメとか作品をひたすら集めてイッキ見するのが趣味なんです。

特にお気に入りの作品は〜〜...、これです！』

そう言って棚から電王のDVDを取り出して遊佐さんへ見せる。

「！！...それっ、て」

『知ってますか？だいぶ前にやってた特撮ヒーロー系なんですけど仮面ライダー電王って言うんですっ！

アニメではないんですけどね、ちっちゃい頃見てからずっと大好きで、何回も見返すくらいお気に入りの作品なんです！！』

作品への熱を語る私とは真逆に静かに私が持つDVDを見つめる遊佐さん。

......もしかして、

『もしかして遊佐さんっ、興味ありますっ！？』

「っえ！？い、いやぁ〜！ね？

興味というよりかは、Aちゃんがそういうの好きだっていう事にびっくりしたっていうか、逆にアニメとかそういうの興味無さそうに思って！見るんだ〜みたい、な...？？」

『む。失礼な！こう見えて私、結構アニメとか漫画とか見るんですよ！にわかですけど...』

「へ、へえ。そうなんだ...？」

そこでちらりと電王のDVDを見てから少し考えた後、あることを閃いた。

『遊佐さん、ご飯食べましたよね？』

「えっ？う、うん。」

『お酒も飲みましたよね？』

「そ、そうだね。」

『...DVD、見たくありませんか？』

「...............はい？」

私の中でなにかのスイッチが入った。

そうと決まってからの私は誰よりも早く、遊佐さんの背中をぐいぐいと押してソファーの方へ連行し、テレビをつけてDVDプレイヤーを起動させた。

「ちょちょ、Aちゃん！？」

『丁度いい機会です遊佐さん！お酒も丁度あるところですし、今夜は晩酌しながら電王を一緒に観ましょう！！ねっ？？」

「え、ええぇぇぇ......」