#39.勘違いはお互い様(⚠︎) ページ41
遊佐視点
やらかした。
自分の心が汚れているのがよく分かる瞬間だった。
キッチンの方からあの、大丈夫ですか...？僕を気にかける声に笑顔を作ってから大丈夫だよと平静を保ちがら、そこに置いてあったヘアゴムを手渡す。
首を傾げて頭に？？を並べていたAちゃんだったが、少ししてからカチャカチャとキッチンの方から音が聞こえてきた為、あまり気にしてない様子だった。
だが正直なところ、今はご飯どうのこうの言ってる場合ではなかった。
「(ヘアゴムとゴム(意味深な方)を間違えるなんて、
どんな勘違いだよ...)」
数分前の自分の汚く愚行な間違いを修正してから今ある記憶を全て消し去りたい...
ついでにあらぬ想像とちょっぴり期待してしまった自分にも飛び蹴りを食らわしてきたい((
「(Aちゃんに伝わってなかったからいいものの、なにを想像してるんだ僕は...いや全然よくないんだが)」
「はあぁぁ...、何をやってるんだ僕は...」
昨日の事といい昼時の通話といい、どうやら僕は自分を見失うほど彼女と話せたことがよっぽど嬉しく感じているようだ。
男相手とかならまだ笑い話になっただろうが、相手は立派な一女性で、そういうのに察しが早い人だったら速攻ドン引きされていただろう。
Aちゃんは変なところで勘が鋭いが、今回ばかりはそれが単純に鈍くて助かった...
「(生真面目なのは見るからにだったから分かってたけど...
ある意味、さっきのは良くも悪くも知れてよかったかも)」
多分なのではっきりとした確証はないがさっきの様子や反応から見て、彼女はきっとそういう知識や恋愛などの関する面に疎いのもしれない。
彼女のことだ、逆に意味を理解していたら顔を真っ赤にして僕をタコ殴りにしにきてもおかしくない。
「(まぁまた、彼女との進展があった時に使ってみるとするかな？)」
想像しただけでも口元から笑みがぽろぽろ溢れそうになる。
全く。人が悩んで一喜一憂してるというのに当の本人のあの子はキッチンに立って僕のために忙しなく今夜の晩餐に励んでいる。
その姿に視線を移し、ふわりとする気持ちを噛み締めながら、この時間が少しでも長く続けばいいのにと思う。
そんな事をぼーっと考えていると、キッチンの方からひょこっと顔を出して僕のことを呼ぶAちゃん。
『遊佐さん！ちょっと来てくださいっ』
その姿がなんとも可愛らしくて、僕は軽い足取りをして彼女のいるキッチンへと向かった。
某アンジ○ャッシュネタ(?)、
一度やってみたかったんですよね☆((
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作成日時：2023年9月12日 21時
