【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ40)

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#38.ゴム=ゴム...？(⚠︎) ページ40

⚠︎ ←これがついてる時は微夜、または夜なネタが含まれます。

苦手な方はご注意ください。

にこにことこちらへ微笑みながらも弧を描いて笑うその口元は何処か妖しい雰囲気を出している。

『...っ別になんでもないです』

まただ。

今度は何を企んでいるのか、私の様子を探るようにこちらに視線を移して心の中を乱そうとしてくる。

普段そんな姿これっぽっちも見せないくせに、一度目にしたら二度と目が離せなくなるようなこの人の妖しい雰囲気にクラクラしそうになる。

ここで調子を狂わされてはダメだと思い、顔をぷいっと逸らしてそそくさとご飯を作る準備を始める。

『(えっと、お肉に玉ねぎに人参にじゃがいも...滞りなくいつも通りだけど、今日は遊佐さんがいるし他もなんか作った方がいいよね)』

ガサゴソと冷蔵庫の中を覗きながら、うーんと作る献立を考える。

作ろうとしたその時、髪を結んでないことに気がついた私は、変わらずじっとこちらを気にするように見ていた遊佐さんにテーブル横に置いてあるヘアゴムを取ってもらおうと頼んだ。

『遊佐さん遊佐さん、テーブル横にあるそこのゴム、

ちょっと取ってもらえませんか？』

「うんわかっ......え？」

私が声をかけると間抜けな声を出して固まる遊佐さん。

『？ゴムですよゴム。料理作る時に使うんです。

そこにあるでしょ？』

「えっ...？ちょっまっ、ええっ...！？」

戸惑いながら突然ガタッと音を立て立ち上がり、動揺した様子を見せる遊佐さんになんだ...？と首を傾げる。

「ま、まってAちゃん...？

ゴ、ゴム...？？」

『はい。ゴムです』

「ぃ、いやっ、ちょっとまって？？

ゴムって......あのゴム？」

『はい？？』

一体慌ててなにを言っててるんだこの人は？

私は髪を結ぶゴムを取ってほしいだけなのだが...

何のことについて言っているのか分からず頭を傾げる私の一方で、顔を何故か赤くしながら口を抑えて呆然と遠くを見つめる遊佐さん。

「ご、ごはん作るん、だよね...？」

『？？はい。だって肉じゃが食べたいって言ったの遊佐さんじゃないですか』

「いやっそうだけど！！！汗

...まさかAちゃん、作るってまさか...？」

『はい...？？あの私、料理するのに髪の毛邪魔だからゴム取ってほしくて言ったんですけど...』

「え？」

『？』

困惑気味に頭を傾げてそう言うと、また少し固まった後に浅く息を吸って再度大人しく腰を落とした。

.........？一体どうしたんだろう変な遊佐さん。