【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ35)

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#33.条件は荷物持ちページ35

「にしてもAちゃんがまさか、あのちょびっとの量のビールでノックダウンするとはね」

意外だったな〜笑とさっきの不安そうな顔はどこにいったのか、いつものようにふふっと笑ってから赤から青に変わった信号に車を再び発進させる。

『ビールなんて、あんな苦くてアルコール度数も高い上にすぐ酔っ払っちゃうお酒なんて飲もうと思いません。』

「えぇーそうなの？強いお酒が苦手で酔っちゃうのはまだ分かるけど、苦くて飲めないっていうのはまだまだAちゃんがお子ちゃま舌ってことなんじゃな〜い？」

運転しながら横目でニヤニヤ笑う遊佐さんにムッと眉間に皺を寄せる。

『誰にだって苦手な物くらいありますっ

ていうかお子ちゃま舌じゃないですし。子ども扱いやめてください』

「ふぅーん？じゃあ苦い物の代表格のコーヒーは？Aちゃん飲めるの？」

余裕そうな口ぶりで窓に頬杖をつきながら聞く遊佐さんにこちらも負けじと食いつく。

『ええ飲めますよ？コーヒーくらい！...カフェラテとかなら』

「すごい勝気だった割に弱いなぁ！！笑笑」

『し、仕方ないじゃないですかっ！

大体、私はコーヒーより紅茶派なんです！！』

はいはーいと笑って聞いてるのか聞いてないのか分からない返事にぶすっと不貞腐れながら続けた。

『かと言って私、昨日のこと許したわけじゃないですからね。その所為で朝遅刻しかけた訳ですし...

責任は取ってもらいます。』

「えーやっぱり怒ってるの？」

『怒ってません』

「言い方が怒ってるやつじゃなーい」

眉を八の字にして困った様子でハンドルをきる遊佐さんを見てから走ってる道沿いを指さして言った。

『遊佐さん、帰る前にスーパー寄ってください』

「あ、お酒もうないって言ってたもんね。はーい了解しました」

『言っときますけどそれだけじゃないですからね。悪意はないとはいえ、ビール渡して酔わせた挙句、次の日私遅刻しそうになったんですから。

遊佐さんにはほろ酔い1パック持ってもらいます』

「いや、確かに知らないで飲ませちゃったのは僕だけど、それでその後ノックダウンして、朝起きれなかったのは多少Aちゃん自身にも問題があるのでは？」

『遊佐さん？？』

「はぁーい、かしこまりましたぁ...。」

黒い笑みと圧をかけて運転席へ目を細めると、大人しくぶーたれながら口を尖らせて、会話をしている内に到着したスーパーの駐車場に車を停車させた。