【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ28)

今日:43 hit、昨日:11 hit、合計:17,995 hit

#26.昼食うざLINE ページ28

あれから数時間が過ぎ、時刻は12時を回った。

昼休憩の鈴が鳴り、一斉に周りの緊張の紐が解けるようにざわざわと話す声がオフィス内に響く。

「んーっお昼だあぁ〜〜、

A、一緒にランチ行かない？」

『ごめん遥。私今日お弁当なの』

「あーそっかぁ、じゃあ別の子と食べてくるね」

お先ぃ〜と言って手を振る遥に軽く手を振り返す。

少しずつぞろぞろといなくなっていく職場を横目に荷物からお弁当を取り出して私はある場所へと向かった。

『ふぅ〜、やっぱりここは静かでいいな…。』

お弁当片手に1人でやって来たのは会社の屋上にある屋上テラス。

もはや屋上とは言い難いくらい緑や花でいっぱいで今どきな雰囲気を感じる我が会社の自慢の洒落た場所のひとつだ。

お昼は大体ここに1人で食べ、仕事で疲れた頭を整理したい時や1人になりたい時に時々ふらりとここへやってくる。

『はぁ〜〜、朝から散々だったし早く食べて早く曲でも聞こう…。』

朝からバタバタしたままなにも食べれてないお腹を満たすようにお弁当の蓋をぱかりと開ける。

『…うん。滞りなくいつも通り』

簡単なもので済ませた食べれればいい思考の"いつも通りのお弁当"を見てから、箸を伸ばして口に運ぶ。

『……！今日のはいつもより上出来かも

多めに作っといてよかった〜。』

いつも通りぱぱっと作ったのに上出来な肉じゃがの美味しさに我ながら関心して黙々と食べていると、服の中にしまっていた携帯がブブッと鳴った。

誰だろうと思い携帯を取り出すと、画面には数件のメッセージが届いていた。

『ん？(お昼時にメッセージ…？)』

私の身内でお昼時に連絡をしてくる人は数少なく、お姉ちゃんか実家の母ぐらいなものだがそれも最近では稀なため、ますます送ってきた人物が浮かばず頭を傾げる。

ロックを解除してLINEを開くと、メッセージ欄にある人物から数分前から何件ものメッセージが届いており、個チャを開こうとした瞬間にもまた連絡が届いた。

それを見て私は分かりやすく顔をしかめながら、渋々チャットを開いて既読をつけた。

遊佐おはようAちゃん、今朝はちゃんと起きれた?家出る時気をつけてね。行ってらっしゃい

遊佐今はまだお仕事中かな?お昼になったらまた連絡するね。

遊佐午前のお仕事お疲れさま。今はお昼ご飯中かな?Aちゃんのお昼ご飯見てみたいなぁ〜?

『…………。』

……反応するのにだるい高校生か！