【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ23)

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#21.ヤケ酒(?)オレンジジュースページ23

『ん〜…喉乾いたな』

あれから1人でひたすら電王を見ること1時間。

壁にかけてある時計に目を向けると長い針が11を指そうとしていた。

『もうこんな時間か…

…よし。』

時間も時間だし、丁度喉も乾いた所で体を預けていたソファーから立ち上がり冷蔵庫のあるキッチンへと向かう。

『ふんふふ〜ん♪

1日頑張った私を癒すほろ酔いちゃんはどこかな〜』

…ん？ちょっと待てよ。

私なにか大事なことを忘れてる気が…

ふと過ぎるモヤッとした嫌な予感を感じながら冷蔵庫を開ける。

が。

『………しまった。』

冷蔵庫の中を再度恐る恐る確認するが、愛飲しているほろ酔いは1本も残っておらず、私はその場に項垂れた。

『く、くぅぅ……！』

まさかのここでの急展開に頭を抱えた。

こんなのアニメで例えるなら、

勇者が仲間を集めてボスを目指してめちゃめちゃ敵倒しまくってやっとボス戦までたどり着いたのにも関わらず、メインの勇者が武器も装備も捨てて裸で来たのと一緒じゃん！！知らんけど！！！((

『うわぁ最悪だよ…。帰りに買い物しなきゃって
思ってたのに忘れてた……………あ。』

そこで帰り一緒に帰ってきた人物が頭に浮かび、ピキっと頭に血が上る。

冷蔵庫の中をまた見回してみると、奥の方に大事そうに冷やされた1本のオレンジジュースに目が止まった。

『くっっそ…！今夜はヤケ酒(ジュース)だ！！！

お腹たぷんたぷんになるまで飲んでやるぅぅ！！！！』

そう言ってからビンの蓋を開け、口に含んで喉に流し込んだ。

『…っぷはぁっ！はぁもうやってられん……』

ただでさえ仕事のストレス過多を抱えながらもプライベートの時間ではお隣さんに振り回され、おまけにほろ酔いを買い忘れるという不運っぷり。

あ"あー、、しんどい病みそ………((

『(……気晴らしに外の空気でも吸お)』

気分を変えるため、試しにベランダに出てみた。

深夜に近づくにつれ、外の夜景や静かな空気は明るい昼とはまた違う落ち着いた雰囲気を出していて、どこか心安らぐものを感じる。

『うぅーん、風が涼しくてきもちい〜…』

「晩酌中ですか？お嬢さん？」

『んぶっ！？』

飲んでいる途中に吹き出しそうになりながら声がした方をバッと振り向く。

隣のベランダの方からだ。

柵の壁越しから見えたお酒を持った手に気づくと私は分かりやすく眉を寄せた。

「さっきぶりだねお隣さん？」

買い物を忘れさせた張本人だ。