【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ3)

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#2.掴みどころのない人ページ3

『…いや、』

『なんでいるんですか』

呆れた顔で聞く私とは裏腹にキョトンとした顔で変わらぬ様子な遊佐さん。

「なんでって、Aちゃんが帰ってくるの待ってただけだけど？」

『そこが問題なんですよ！！！』

ん？と言いながら頭を傾げる遊佐さんにさらに頭を抱える私。

知らない人から見たらよく分からない絵面だろう。

だって私もよく分からないのだから

改めて説明しよう。

今も私の目の前で「えー笑」とヘラヘラ笑いながらも全く困ってない様子で返答を考えているこの人は遊佐浩二さん。

同じマンション、しかも私の隣の部屋に住んでいる人で、今抱える私の悩みの張本人元い、元凶でもある。

一言で言うと、距離が近いお隣さん。

そして何故だか知らないが、やたらと遭遇率が高い不思議な人物だ。

どちらかというと"掴みどころのない人"、と言った方が正しいかもしれない。

『はぁぁ…』

そんな目の前にいる遊佐さんの顔を見てため息が溢れる。

「Aちゃん？どうしたのため息なんかついて…
なにかあった？」

『本気で言ってます？遊佐さんそれ』

まじで言ってんのかこの人…
(連続残業とストレス過多で軽くピキってる)

変わらずキョトンとした顔をして私を見る遊佐さん

だがしかし。世の女性の皆さん騙されてはいけません。

こちらに今も笑顔で微笑みかけているが、彼の本性はこんな可愛いものじゃない。

実際の彼は90度は愚か、180度も違う。

『ていうか遊佐さんこそ、こんな所でなにしてるんですか？』

『街灯があるからとはいえ、こんな暗い道の中1人でスマホなんかいじってたら怪しまれて誰かに通報されますよ？』

言った後にプイッと顔を逸らし、こちらを向いていた遊佐さんへ強気に出る。

道が暗いのをいい事に思わず口元が緩む。

だっていつもからかわれっぱなしなのだ。
少しはこっちもやり返しても罰は当たらないだろう

なかなか返答が返ってこない為少し不安になり、横目で遊佐さんの方に目をやると少し間を置いてから遊佐さんが口を開いた。

「んー、でもまぁ確かに。
このご時世だし何が起こるか分からないもんね」

『…？は、はい』

Aちゃんもびっくりさせちゃうしね、気をつけるよ。と素直に言う遊佐さんに私は戸惑った。

思ってたことと真逆な言葉が返ってきて、さっきムキになって強く言ったことに対しての罪悪感とモヤモヤした気持ちが胸に残る。

肩を落として少し落ち込むと、遊佐さんはでも…と続けた