【声優】やたらと隣人が詰めてくる。【遊佐浩二】 (ページ16)

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#15.遊佐さんの地雷ページ16

とまぁこの人との出会いはこんな感じだ。

出会い初期から今もよく分からない人っていうのは変わらず健在だが、あれほどまでの短期間、一日の間に人の印象というのは変わるものなのかと目の前の人物を見て我ながら感心する。

勿論どちらの意味でも。((

最初は爽やか優男×イケメンかと思っていた人物が今では…

「ねぇAちゃん、折角だしこれから一緒に飲みに行かない？
2人で。」

『丁重にお断りさせて頂きます。明日も私仕事ですし』

「ちぇー…」

コレなのである。()

人間のメッキとは、どんな加工をしても時間経過でいとも容易く剥がれ落ちることと決まっているのだ。

てかなにがちぇーだぶりぶりすな((

でも説明しといてあれなのだが、正直なところ自分でも何でこんな変な関係が今も続いているのか分からない。

じゃあなんでそんなよく分からん状態なのに私の仕事帰りを待ってるのか？残業だった場合いつ帰るのか分からないのに。

しかも駅前じゃなく自分がいつも通る道を把握してまで？？

そんなもん知らんこっちが聞きたいくらいだわ！
(逆ギレ)

そんな本人の隣を歩きながら心の中で自問自答する私を他所に遊佐さんがなにかを言って私へ問いかけた。

「Aちゃん？」

『…！はい？』

「僕が今言った事、聞いてた？」

『えっ…？ぁー、えっとはい、聞いてましたよ』

大した内容じゃないだろうと考えた私は聞いてた風を装って空返事して返すと遊佐さんはふーんと呟き、表情を変えずに私へ聞き返した。

「じゃあ俺が言ったこと、もう1回言ってみて？」

『(ヤッべ…)』

声音やトーンは変わっていないものの、私の頭の中には"まずい"の3文字が浮かび、背中からは嫌な汗が流れるのを感じた。

そう。何がまずいのかというと、こんなよく分からない遊佐さんにも地雷原というのが存在する。

その原因となる地雷とはなんなのかというと、

「ん？聞いてたんでしょ？言ってみてよ。」

『ぁっ、え〜っ…と…』

真剣な話を聞かなかった、聞いてなかった時だ。

そして結構マズい時は自分を呼ぶ呼び方が僕から俺に変わる。

こうなった時の遊佐さんは私の会社の上司より怖い…

え？なんでそんなこと分かるのかって？

経験済みだからだよ()

『(でも今日のは…ちょっとやばめかも)』

にこにこ微笑んでいるが目は全く笑っていない圧のかかった視線を向けられ思わず萎縮する私。

いつもにこにこ笑っている人ほど怒らせるとすごく怖いというのは本当の話だ。みんなメモっとくように((