いずれ愛となる

運命の出会いが壮大だとは限らない　裏 ページ11

『にゅるいさん、今どこいます？』
「今は・・・開きです、開
『了解です、回復行きます。』
「お願いしますっ！！」

今夜はくれいどさんとの夜ラン配信。

画面の中で自分のキャラである探鉱者をグルグルと操作しながら、さっき救助に行ったときに負ったダメージを回復してもらうよう、くれいどさんにお願いする。

「ヤバいっすね、この展開どうしましょう・・・。」
『なんとか分けに持ち込むしかない、かと。』
「ですよねぇ・・・、じゃあ俺あそこの暗号機上げますわ。」
『了解です。』

＜厳しいね
＜ハンターさんうまいな
＜なんとか分けに・・・！！

さっきまでは応援してくれていたコメントも、今は諦めるような内容が多くなってきた。

今日はなかなか勝ちを期待させるようなプレイが出来ていないことに、少し申し訳なく思う。

最近勝てないなぁ、と心の中で小さく溜息をつきながら、まだ１％も進んでいない暗号機の解読に取り掛かった。

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『あっ、にゅるいさん。篠崎さん・・・と相方の桐ケ谷さんですよ。』
「えっ？！あ、ほんとだ。そっかぁ、お２方共ＰＣ勢だっけ？」
『らしいですね。』
「篠崎さんお久しぶりだなぁ、桐ケ谷さんは初めましてだし。」
『にゅるいさんでも初めましての方っているんすね、意外・・・。』
「桐ケ谷さんはねぇ、なかなか話しかけられないっていうか・・・。」
『あぁ〜・・・。』

何戦目かの試合でマッチしたのは「救助の篠崎」と「チェイスの桐ケ谷」のお２人。

第五界隈ではかなり有名なコンビだ。

様々な種類の救助キャラや補助キャラを使い、１試合の中でごく当たり前のように何度も神救助を行う篠崎さんと、チェイスに適していないとされる解読キャラを使い、どの試合でもチェイスキャラ顔負けのチェイスと神プを魅せる桐ケ谷さん。

ツ〇ッターでは「マッチすれば必ずキャリーされる」と噂され、実際に「キャリーされました！」とツイートしている人も数多く見かける。

テンションが高く、明るい性格の篠崎さんと、落ち着いていて、冷静沈着な性格の桐ケ谷さん。

得意なキャラも性格も真反対な２人だが、真反対な性格故に生まれる試合中のコンビネーションや配信内での会話が面白いと有名になった。

篠崎さんには以前２８カスタムに来てもらい、何度かお世話になった事がある。

話を盛り上げるのが上手な方で、他の方たちともすぐに馴染んでいた。

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