忘れもしない ページ5
「はい笑」
地味にツボにハマりつつ咳払いをして切り替えている。
笑うと顔が赤くなるのいいわ…ってそうじゃない。
「えー
きれいに染めてもらっている時、ふと、美容師から声優になられたぐっちさんを思い出しました。江口さんが美容院から連れ出したとお聞きしたのですが、その時の様子を詳しく聞きたいです!また美容師から声優になるときに一番大変だったことはなんですか?お二人のご活躍これからも楽しみにしてます!
とのことです!」
「ありがとうございます!いや〜、ね!いろいろあったよね。」
「いろいろやっちゃったのはこのパイセンなんですけどもね!」
「ちょっとスタッフ!笑ってんじゃないよ!笑
俺はずっっっっっっっと声優になってほしくて誘ってたんだよ!」
「そうなんですよ、んもうめちゃめちゃにしつこかった!」
声優ってその時はまだ知る人ぞ知るっていう職業だったし、あんまりイメージも湧かなくて…と真面目に答えている。
その言葉、初めて俺が声優に誘った時も言ってたな、なんて思い出したり。
「でもその甲斐あって、今こうして活躍しているわけだからさ〜ファンは俺に感謝しな!」
「やかましいわ!笑
ちょうどー…江口さんの担当になって1年ですかね?見たこともない形相で、凄い事しに行くよおおおおおお!って言われて。」
「はっず!!!!今思うともうちょっと言い方あったなって思うもん」
どんな変態だよ俺…
恥ずかし過ぎて顔を覆ってしまう。
「あの時大雨でお客さんも全然いなかったからできたことだったんですよ」
「うん、すべてが揃ってた日だったよね」
3月14日。忘れもしない。本当にすべてが揃っていた。
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作者名:oguro.san | 作成日時:2019年10月21日 20時