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Aはすぐに立ち上がり菊田に着いて早歩きで歩く
菊田は扉を開けてAが部屋に入ったのを確認しながら扉を閉めると、ゆっくり振り向いて扉にもたれ掛かった
「そうさな、自己紹介からしてもらおうかね」
顎に手を当てながら少し眉毛と唇を上げて話す菊田に、
Aは胸の高揚を抑えられずにいた
それもそのはずだ。Aはずっと周りの人間だけでなく
自分にすら、尾形百之助一筋!というように振舞ってきたが
実はこの、菊田杢太郎という人間にも惹かれつつあった
しかしそんなことは関係なく、今はこの状況を説明しなければならない。
「私は赤西Aと言います。今はその、21歳です」
本当は17だが、尾形と同じ年齢ということにしておこう
菊「そうかい、お若いな。でも俺が聞きたいのは嬢ちゃんのその服装とかなんでここにいるのか、だ。」
「無理に説明しろ、とは言わんが俺のことを知ってるようだからなんにも言わないんじゃ対応を考えなきゃならん」
Aがどう説明しようか迷っていると菊田は少し間を空けて付け足した。
そんな脅し文句のようなことを言われ、少し焦ったAは
「私はこの世界の人間では無いんです!」
力強くそう言った。
菊「は、?おかしな奴なんだろうとは思っていたがここまでおかしいとは。」
作中では見たこともないような怪訝な顔をされ
少しショックを受けつつも、
自分がいた世界のこと、この世界は漫画の中の世界なのだ
ということを説明した。
「信じてくれますか?」
話終わった後もずっと黙り込んでいる菊田に思わず声をかける。
菊「ああ、ほら話にしちゃあ良くできすぎている。それに、嬢ちゃんのその格好もそれくらいでしか説明がつかん。」
そう指を刺されるので自分の服装を見てみると、
たしかに韓国の通販で買った部屋着に身を包んでいる姿がうつる。
A「嘘!私この格好だったの。最悪だ。」
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作者名:百 | 作成日時:2024年1月24日 0時