21 テヒョンside ページ21
結局、Aの友達に教えてもらった寝室の場所へ向かう。
...というか、俺とAは付き合ってるわけでもないのに。
俺が襲うとか考えないのかな、あの子。
まぁ、大事な女友達だし襲うつもりないけど。
俺、そういうことはちゃんと真面目な男だから。←
そんな事を考えながら、断れなかったことを後悔する。
けど、A曰く俺のせいで飲み過ぎたらしいのだから、断るのもなんか悪い気がした。
ガチャ、と寝室のドアを開けて部屋の様子を伺う。
薄暗いけど、ベッドの上で大の字に寝ているAが見える。
「...色気ないな...。」
思わずくくっと笑いが込み上げてきて、とっさに自分の口をふさぐ。
そーっと、ベッドに近づいて端に腰かけた。
ギシっとベッドが沈み、軋む音がするが、Aは全く起きる気配がない。
しばら寝顔を見ていると「...ん〜」という声とともに薄く目が開いて「ここどこ...」と大の字のままキョロキョロ。
俺と目があった瞬間「あれ。なんでテヒョンがいるの。...夢?」と言うので「...うん、夢だよ。」と言うと
「そっかそっか、夢ならいいや...」と、目をつむった。
...ほんと、Aって面白い。
「...A。」
そう名前を呼んでみたけど、スースー寝息が聞こえる。
無意識に顔を近づけてゆかりの短い髪の毛をくしゃっとさわっていた。
「...なんであんなこと言ったの...?」
と、寝てしまったらしいAにつぶやいた。
....................................
あれからAの友達が帰って来たから、俺は自分の部屋に戻るため、玄関のドアを開けようとしたら「テヒョンさん。」と、また友達が俺を呼び止める。
「ありがとうございました。あと、無理言ってすみませんでした。」と、お礼と謝罪。
「あー...いや、Aが飲み過ぎたの、俺のせいみたいだから...」
そういうと、その子は目を見開いて驚いていて...
「...なんでそう思うんですか?」と聞いてきた。
ふとAの言葉を思い出したけど
「......なんとなく。」
とだけ答えた。
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作者名:おぐり | 作成日時:2017年10月24日 13時