turning.9 一冊の特訓ノート ページ9
「…………」
「……守」
最強のチームなんて、この世には存在しないと思うんだ。
──そう伝えようとしたけれど、言えなかった。
その私の心境に対して、守は明るい声を出して言う。
「……よぉっし! やるか!」
「やる、って?」
「Aも付き合え!」
守は私の問いに答えることなく、ニッと笑った。
〜･〜･〜
──タイヤを木からロープでつるし、
そのタイヤを投げて……
「──うわぁッ!」
受け止める。
「なに、その変な特訓……」
そう呟いた。当然、呟いたのだから守には聞こえない。
サッカーボールで遊びながら、私はその様子を見ていた。
……何やってるんだろう、私……。
「(彼らを……仲間を救うために、
転校してきたんじゃなかったのか……私は……!)」
思わず舌打ちをしたくなった。
その状況を続けていると、ふと、彼がタイヤを受け止めかけ。
「! …………」
「やった……ッ、うあぁっ!」
たが、思いっきり吹っ飛ばされた。──ああもう。
見てられなかった私は、
一度強く目を瞑ってから再び開いて呟く。
「……さっきの力は……守、大丈夫?」
「あ、あぁ」
「無茶苦茶だなぁ、その特訓」
別の方向から、私でも守でもないものの声が聞こえた。
「…………?」
「風丸!?」
守は、この場に現れて
こちらに歩み寄って来た彼を知っているようだった。
「変な特訓、してるんだな」
「あぁ……あれだよ」
〜･〜･〜
そうして守に見せられたのは、
なんとも古ぼけた一冊のノートだった。
「な……読めねぇ……。お前これ、読めるのか……?」
「うん、読めるよ。シュートの止め方が書いてあるんだ」
「へぇー……!」
片方しか見えない目を見開いて驚きの声をあげながら、
私にそのノートを手渡す風丸君。彼は陸上部の子らしい。
守の親友かな、幼馴染だったりして。
ノートを受け取ったら、確かに恐ろしく汚い字だった。
「それ書いたの、じいちゃんなんだよね」
「じいちゃんが?」
「(大介さんが……)」
それで、ゴッドハンドか……。
どうやらただのノートでも無いらしい。
「帝国学園は、スピードもパワーも想像以上だ。そいつらのシュートを
止めるには、じいちゃんの技をマスターするしかないって思ってさ」
「お前、本気で帝国に勝つ気なんだな……」
「あぁっ!」
「……、ん!」
言いつつ、風丸君は手を差し出す。
それを見た守は戸惑った。
「え? な……なに?」
「俺、その気合いにのった!」
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
