turning.8 豪炎寺修也 ページ8
〜･〜･〜
ザ……ッ
「お……っと」
その日の夕方、鉄塔広場に来ると先客が居たようだった。
だから気づかれないように帰るつもりだったが、
彼は結構鋭いようだ。
すぐにこちらを見て、気付かれた。
「あ、えっと……学校ぶり、豪炎寺君!」
「…………」
話しかけてみたものの、彼はすぐに向こうを見てしまう。
結構クールな性格なのかな。
だったら、なんとなく話しやすいかもしれない。
「キミは、ここに来るの初めて?」
彼の隣で、しゃがんで夕日を見た。
あぁ、昼だと思ってたのに。もう夕方だったんだ。
返事を待ってみたが、やっぱりなにも言わない。
「私は初めてなんだ、ここ。もうここに来て1年くらいは経つのに」
言いながら、彼を見上げる。
心底驚いたような顔だ。
「ずっと前から居ると思ってたでしょ?
私は中学1年の時に雷門へ転校してきたんだ」
「……行方不明と聞いていたが」
ようやく口を開いた彼の声を聞いて、
私は嬉しくなった。
「間違ってはない……のかな。私も、よく分からないんだ」
「……それは……どういう」
“どういう意味だ”──彼にそう問われようとしていた時、
また別の足音が近づいてくるのが聞こえた。
「A! 豪炎寺!」
「守……」
「…………」
足音と声の聞こえていた方向を見れば、
サッカーボールを手に持った守の姿。
彼はこちらに駆け寄ると、すぐに豪炎寺君に話しかけた。
「ここ、すっげぇ良い所だろ!
俺もここがちっちゃい頃からの、お気に入りの場所なんだ!
あのさ、お前も聞いてるだろ? 帝国学園との、練習試合!」
その言葉に、豪炎寺君と私も顔を引きつらせた。
「でも、メンバー足りなくってさ……ずっと
声かけまくってんだけど、誰もやってくれないんだ」
苦笑いしながら、そう言う守。
「なぁ、考え直してくれないかな?」
それでも、豪炎寺君はまた夕日の方を向いてしまう。
「お前と、サッカーやりたいんだよ!
俺達組んだら、最強のチームが出来るぞ!」
「もう俺に話しかけるな」
言い捨てた彼は、柵から
向こう側へ飛び降りて帰っていく。
「あっ……!」
「ねぇ、まも……」
「じゃあ、なんで昨日ボールを蹴った!?」
その言葉に、豪炎寺君はこちらを向く。
彼の目を見た私は、息を呑んだ。
「……、しつこいんだよお前は……」
──そう言い残して、去って行った。
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
