turning.44 “彼女”のもとへ ページ44
〜･〜･〜
「──まだ信じられないでヤンス、カノンが未来から来たなんて……」
FFスタジアムから雷門中までの帰りのバス内で、
しみじみと栗松が呟いたのが始まりだった。
栗松の声には、真っ先に円堂が反応して返す。
「……アイツは、サッカーが大好きだ。だから俺は信じる。
サッカーを好きな奴に、悪い奴なんて居ない」
「お前らしいな」
呆れているのかただ単に笑っただけなのか、
肩を竦めながら円堂に言う風丸。
──そんな仲間達を見ては、俺は腕を組んだまま声を発し。
「……カノンが未来から来たのかどうか、
確かめる方法が一つだけあるぞ」
「どんな方法だよ?」
俺の声に興味深そうに食いついた染岡の声は、
仲間達の心の声でもあっただろう。
その思いに応えるために、何とでもない事のようにして返した。
「長生きをすることだ。曾孫が生まれるまでな」
寧ろそれより他に仕様がない。
近い未来で時空を移動できるほどまで技術が
発達するのであれば、話は全く別だが。
俺の言葉には、バス内に居る仲間達の殆どが脱力していた。
一方で、豪炎寺は小さく笑いながら俺の話に乗って来る。
「……しかし円堂なら、その時までちゃっかり生きてそうだな」
「言えてるわね」
「そうかー? ──そりゃありがとっ」
雷門も可笑しそうに笑いながら豪炎寺に同意すると、
何故か円堂はどこか浮ついたような声色で礼を言った。
特に皮肉だったようにも思えず、俺達はしきりに首を傾げさせる。
「……なんで、“ありがとう”になっちゃうの?」
ついに、木野が直接円堂に問いかければ
頭の後ろで両手を組んだままの円堂は、
眩しい程に満面の笑みを浮かべながら肩を上下させて、答える。
「──なんか、嬉しいからさぁっ!」
……何が嬉しくてそんなに面白いのか、
何となしにしか掴めないが大方の予想はついた。
そこには確かに、やはり“円堂らしさ”が含まれていたのだろう。
「なっ、雷門中についたらすぐにAんとこ行こうぜっ!」
「……そうだな」
“優勝の報告だ”と張り切った様子の円堂に、
俺も思わず小さく笑いながら頷き返した。
──病院で眠っていた筈の彼女は、一体どうなっているだろうか。
〜･〜･〜
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
