turning.42 別れ ページ42
「見つかるさ。お前達の勇気で……きっとな!」
“見つかるのだろうか”──恐らくそう問いが続いたのであろう
バダップの思いに、先回りした円堂がニカッと笑って頷いた。
対して、差し出された右手をじっと見つめるバダップ。
円堂から受けた言葉をしっかりと噛み砕くようにして目を閉ざした後
改めて姿勢を正し、彼の手を取ろうとゆっくりと片手を伸ばす。
──しかし。
「「!?」」
「バダップ……!?」
頭上から突如降り注いだ、赤い光がそれを遮った。
……光は、彼らを元の時代の帰還へと導く合図。
身動きの出来ない円堂に、自分の手元を見つめていたバダップは
彼を見据えて、掴めなかった片手で自らの胸元を二回、トンと叩く。
「…………!」
その直後、王牙学園は赤い光と共に姿を消した。
しかし……思いは繋がったと、わかったのだ。
空を見上げた円堂の表情には、笑みが零れていた。
「──ひいじいちゃん!」
ならば自分達もそろそろだろうと、六人とカノンが
小さく笑みを浮かべて仲間達を見渡す。
「! ……ありがとなっ、カノン!!
──吹雪、ヒロト、飛鷹、虎丸、フィディオ!!」
笑みを浮かべながら、声を掛けられた円堂は彼らの元へと
駆け寄った後、一人一人に呼びかけ。
呼びかけられた彼らは、順番にしっかりと頷きを返した。
「……A、ありがとう!」
最後に改めて礼を言われた私は、
笑みを輝かせる円堂に向けて微笑んで見せる。
「マモル。また君とサッカー出来る日を、皆で楽しみにしているよ」
「──ああっ!!」
フィディオが円堂に向けて言い、円堂が頷きを返した後
五人が、元の時代へ帰るために定位置へとつく。
だが私は一人、雷門イレブンの皆と向き合いながら声を放った。
「……皆。私は、皆の──仲間を思う強さに、何度も助けられてきた」
このFFでも、エイリア学園との戦いでも、FFIでも。
彼らはずっと変わらなかった。
「その強さを……──仲間は、いつだって
自分を思ってくれているという事を、忘れないで欲しい」
それが雷門イレブンなのだと、私は知った。
いつだって、どんな状況だって──仲間達は誰かを思い
仲間は自分の事を思ってくれている。誰にしたってそう。
最後に目を合わせた円堂には特に、“忘れない”よう──強く願う。
過去の私を知る雷門イレブンはそんな私を見て、声を聞き
しっかりと頷き返したり、何かを思うように見つめて居たりした。
「──それじゃあ、またな」
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
