turning.34 願い ページ34
〜･〜･〜
後半開始早々、負傷による選手交代。
次に試合再開のホイッスルが鳴り、
雷門側から攻め込むことになるかと思いきや
すぐさま相手が駆け出し、
今度はFWを痛めつけるようにしてチャージをし出す。
「…………!!」
最後にバダップにボールが渡った。
宙を飛んだのを見る限り、シュート体勢に入ったことは察せられ。
雷門イレブンがディフェンスのために動き出したのを見たが──
『デス、スピアーッ!!』
バダップが放ったシュートは、呆気なくも彼らを突き飛ばし
円堂が放つ、この時一番のGK技である“マジン･ザ･ハンド”も
かき消されてしまい、追加点が決められた。
「……(世宇子相手の時じゃ、あの技で対応出来ていたのに)」
やはり、あのチームを一捻りしてしまうだけの事はある。
──そして吹き飛ばされて倒れ込んだ円堂の目の前には
地面の上でぐったりと横たわる仲間達の姿があった。
人一倍仲間思いな彼を動揺させるには、十分だ。
……試合は続けられても、既に六人が続行不可能。
かろうじてフィールドに立つ八人も、相手に遊ばれるばかり。
『──円堂守、サッカーを捨てろ』
『っ……!?』
『見ろ。お前の下らないサッカーが──
お前の言葉と情熱が、チームメイトを傷付けているのだ』
『俺の、サッカーが……!?』
「…………(円堂……皆)」
動揺を隠せなくなった円堂の表情を見るのは堪えた。
顔はディスプレイの方向へ上げながら、
思いを寄せるようにして目を閉ざす。
何を願えば良いのかはわからなかったが、願うような気持ちだった。
『──このままじゃ、潰されちゃう……! キラード博士っ、雷門中が……!!』
『……待たせましたね、カノン!
君に頼まれていた、全ての準備が整いましたよ!』
インカムの向こうに聞こえてきた言葉で、
すぐに閉ざしていた目を開く。
……ようやく、待ち望んでいたものがやってきた。
「…………カノン!」
『うん!! 行きましょう、皆の“今”を守るために……!』
嬉しそうなカノンの声につられて、
私も小さく笑みを浮かべながら仲間達に声を掛ける。
「よし……皆、行くぞ!」
「! ……準備が整ったんだね」
他の五人もまた、挑戦的な笑みを浮かべて頷いて見せた。
──空中のディスプレイが消え、光が辺りを包み込む。
それは、私達を“彼ら”の元へと導く合図だった。
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
