turning.33 苛立ち、焦り、不安 ページ33
〜･〜･〜
また一方で、イナズマジャパンの寮である宿福内の
一室では、私が力を用いて空間上にディスプレイを表示した。
そこには今回の王牙対雷門の試合が映し出されていて
リアルタイムに向こうの様子を窺うことが出来た。
「カノン、もう試合が始まるぞ。まだ準備は整わないのか?」
『それが、まだ出来ていないらしくて……!』
カノンから貸してもらったインカムを通して言葉を交わすが
中々どうして、手助けをしに行くことが出来ない。
そうこうしている間に、試合は開始される。
「……何なんだ、この試合……っ」
王牙イレブンに関しては選手が九人しか揃わないことに
まず疑問を抱いたが、それよりも圧倒的な違和感があったのは
フィールド上に立つ選手全員が、殆ど動こうとしないこと。
動いたとしても、それはようやく雷門が
いざゴールにシュートを放たんとする時だけ。
パスをカットされては、中盤へと戻されの繰り返しなのだ。
思わず吹雪が呟きたくなる気持ちも、私にはよく理解出来た。
「(攻めきれない事に苛立っているな……)」
雷門イレブンの様子を見て、わずかに眉を寄せる。
王牙イレブンも、何故動こうとしないのか──。
ただただ疑問を重ねている内に、前半が終了してしまっていた。
ハーフタイムでベンチに戻ってからも、雷門イレブン内の
違和感や苛立ち、嫌になるほど気持ちの悪い感覚は拭えず。
「……これが、奴等の“作戦”というわけか」
この場の内装の威圧感に反し、相手選手の静かさ。
今一歩深く入り込めず、一点も取れないもどかしさ。
状況が動かないという事への──サッカーへの、不安。
普段であれば円堂の力強い声も、現状を前にしては
仲間達に届きはしても、響くことは難しくなっていた。
「そんな……」
『まだですか、キラード博士!』
『あと二人です! もう暫く待ってください!』
もう、後半が始まる。虎丸の嘆き声の後に
インカムの向こうで交わされるカノンとキラードの
会話を聞き、私は祈るようにして胸元に片手を当てた。
〜･〜･〜
──後半が始まり、王牙は敢えて一度シュートを打たせた後
反撃を開始し、シュート一本を放ち
ディフェンス陣に立つ仲間を負傷させ、一点を取りに来た。
「……ついに本気で来たか……!」
「これが、奴等の本性なのかもしれねえな……!」
スコアで王牙学園に一点が入る。
俺が眉を寄せながら呟くと、染岡が応えるようにして
相手選手を見やりながら声を放った。
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
