turning.23 鉄骨 ページ23
てっきり、二つ返事で了解されると思っていたのだろう。
有人は半ば驚いた様子で問いかけたが、私は迷うことなく頷き。
「どうせ、ロクな記憶じゃないだろうから」
「そんな事は……──。いや、お前が良いというのなら構わないが」
そうは言いつつも、彼はどこか腑に落ちない様子であった。
──別に、記憶を求めていたわけではなかったのだ。
もし後々必要に感じることがあれば、その時に取りに来ればいい。
「それより、今は決勝戦の方が気になる。
あの人が何かを仕掛けているとしたら──食い止めないと」
「……ああ、そうだな」
〜･〜･〜
──決勝戦が始まる。
ホイッスルが鳴り、いよいよキックオフ……そこまで来て、
何の前触れもなく頭上から幾つもの鉄骨が落下した。
「「「…………!!」」」
凄まじい物音と視界に映る惨事に、
帝国イレブンもベンチ側も驚愕して声を失う。
「みんな……!?」
「まさか……ここまでやるとは……!」
どう考えても、普通では“無事”という奇跡を望めない状況で
口元を両手で覆った秋と、響木監督の苦い声が聞こえた。
ただ……有人だけが、静かにその様子を見つめて居り。
そうして、砂煙が全て消え去った時……
立ったままの状態で雷門イレブンの姿が現れた。
──みんな、無事だったのだ。
「──Aと鬼道が言った、“試合が始まっても動くな”
って……こういう事だったのか……っ!?」
一歩間違えばこの惨事を受けることになっていた雷門イレブンも、
呆然として落下して来た鉄骨の数々を凝視していた。
どう足掻いても時間の足りなかった私達が最終的に取った
対処は、雷門イレブンにたった一つの言葉を伝えることだったのだ。
〜･〜･〜
大勢の観客達を目の前にこの事件を誤魔化すことは出来ず、
影山は鬼瓦刑事の下に連行されて行った。試合は続行される。
……この試合で、どうしても確かめてみたいことが出来た。
皇帝ペンギン2号や、ゴッドハンド、デスゾーン、
ツインブースト──技の数々が飛び交う中で
まるで第三者の立場に居るかのように、黙々と試合を見つめる。
「…………」
土門君が体を張ってデスゾーンを止め、守ったゴール。
立ち直った守が、爆裂パンチで止めたツインブースト。
源田が放つパワーシールドという壁がある中、その弱点を見出し
染岡君と豪炎寺君と私のドラゴントルネードで破った相手ゴール。
「(雷門の、FFでの試合に対する思い──)」
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
