turning.3 仮入部 ページ3
あれから結局、私は一年を通してから本日、
サッカー部に“仮”という形で入部してしまった。
あの時私は“今日だけ”って言ってたのに、
彼が毎日“サッカーやろうぜ!”と誘ってくる度に、
私はその言葉に動かされた。
そうしていたら、いつの間にか私達は中学2年生になっていた。
「お前等なぁ! サッカーをやりたくて入部したんだろうが!
サッカー部がサッカーやらなくて、どーすんだよ!!」
放課後、サッカー部の部室へと向かうと
その中で“守”が怒鳴るような声で言っているのが聞こえた。
ああ、きっとまたやる気のない部員たちに
発破を掛けているのだろう。
「そうそう! だらしない!」
──そう考えて、部室の出入り口から顔をのぞかせた私は
皆に向けて声を放っていた。
「A……!」
嬉しそうに小さく叫んだ守に、頷く。
彼の声で私の名前を聞いた部員たちは、
こちらへ視線を向けると驚いたように目を見開いた。
「まさか……」
「……一応、仮入部でね。人呼んで
エリアの騎士、伊吹A。これから宜しく!」
軽い調子で言いながら、ピースサインを出す。
自己紹介をすれば、守と初めて出会ったあの日のように
部員たちは慌てふためいた。
「え……じ、冗談だよな!?」
「冗談じゃないって、本物だよ」
夢だよな、と言わんばかりの問いに
苦笑いをしながら答える。
入部始めでこの扱いとは失礼なものだ。
〜･〜･〜
「全く動く気配ないよね……」
と私が嘆いた通り、今まで通り部員たちが動き出す気配はなく。
肩を落とし、守と同時に溜息をついた。
──そこにもう一つの声がふりかかる。
「円堂くーん、Aちゃーん!」
「おう、木野!」
「秋ちゃん!」
駆けて来るのは、この雷門中サッカー部の
唯一のマネージャーである木野秋ちゃん。
目の前で立ち止ると、申し訳なさそうな顔つきでこう言った。
「御免、グラウンド借りられなくって……」
「仕方ないさ」
これもまたいつものことだ、と肩を竦める守。
「皆は……?」
「いつもと同じらしいね」
「練習しろって、言って来ようか?」
今度は私が応えてやれば、秋ちゃんがムッとしながら言う。
部員思いの良いマネージャーだ。
いっそ母親と言ってもおかしくはないと思う。
「良いよ。その内きっとやる気になってくれるさ。
あいつ等だって、本当はサッカー大好きなんだから」
turning.4 不良二人→←turning.2 キミの名前は
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
