turning.15 居ない筈の妹 ページ15
「「「!?」」」
「──うわぁぁっ!」
……が、19点目が入ったところだった。
「そして、雷門のキックオフだが……? 伊吹と目金以外は立ちあがれない!」
早く来い。
帝国が、雷門が……お前を待っている。
……豪炎寺修也。
「ぃやだっ! もうこんなの嫌だぁっ!」
目金君はそう叫び、十番の
ユニフォームを脱ぎ捨て……試合放棄。
「……無様だな」
「ぐっ……」
鬼道の発言に、守が抵抗しようと動く。
そこに辺見が付け加えた。
「無理だ。お前等には、俺達から一点を取る事すらな」
帝国イレブンは、ゴール前で地面に突っ伏している
守を見て、高らかに笑う。
バカを見るかのような笑い声に対し、
「ッ……まだだ!」
「!? ……」
「まだ……終わってねぇ……まだ、終わってねぇぞ……!!」
「「!」」
一人、立ち上がってそう叫んだ守に鬼道と豪炎寺君が驚く。
私はただ、彼──豪炎寺君の姿を見つめていた。
再び、帝国側が攻撃を繰り出す中で──
「…………」
「! …………」
こちらの視線に気がついた彼は、わずかに目を見開くと
目金君が目の前に落として行った十番のユニフォームに視線を落とす。
「……夕香……。今回だけ、お兄ちゃんを……許してくれないか……?」
──私は何も言っていないというのに。
〜･〜･〜
「20点目、か」
圧倒的な記録。
フィールド上の選手たちのほとんどが動けない。
こうなって当然だとは思う。
「──お兄ちゃん……」
「…………!」
女の子の声が聞こえて来た。
豪炎寺君がさっきまで居た方向からだ。
何事か、と気になって見てみれば
雷門のユニフォームを着てこちらに来ようとしていた
豪炎寺君の目の前に、小さな女の子の姿。
「(彼の……妹……?)」
……おかしい、そんなはずはない!
確か豪炎寺君の妹は、去年の全国大会で──
「…………」
「っ夕香……!? どうして!」
目の前に、今、五体満足で立って居る筈のない存在を前に
酷く動揺し始める豪炎寺君。
「──っしまった! 先手を打たれたか……!!」
別の方向からそんな声も聞こえてきて、また視線を移す。
すると、先ほどここへ来るまでにぶつかった
私服の男子生徒が、草木に隠れながらこちらの様子を見ていた。
「(なんだ……!?)」
どうなっている?
「……お兄ちゃん……行っちゃダメ……! お兄ちゃん、忘れたの……?」
震える声でそう言う夕香ちゃんは、
目から大粒の涙を流していた。
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フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
