turning.11 “円堂”と同じ ページ11
〜･〜･〜
──サッカーゴールがカタカタと小さな音をあげた。
別の方からは、轟音が響く。
轟音が止むと、それが帝国学園の到着の合図に感じられた。
「鬼道さん、なんでこんなチームと試合を?
ウチのスキルがあがるとは思えませんけど」
オールバック髪の彼、辺見渡がそう問う。
「総帥からの指示は、奴らを潰すことだ……」
そう答えたのは、腕にキャプテンマークをつけている鬼道有人。
豪炎寺君も、それらの様子を木の陰から見ている。
「……──A……ここに居るのか……?」
わずかに眉を寄せた帝国のキャプテンは
雷門中の校舎を見上げながら、密かにそう呟いていた。
〜･〜･〜
一方の私は、校舎内であたふたとして居た。
よりによって帝国学園が来る今日に限って、
とある部が私を求めて来たのだ。
しかもまだ仮入部から正式に入部していないのを思い出し、
先生の元へ走って居る真っ最中。
「間に合わないなんてこと、あってたまるか……!」
確かに彼らとこんな形で会うことになってしまうのは
自分自身、とても悲しいことではある。
だがここで戦いに行かなければ──
「──うわあっ!?」
「わっ、す、すみません!」
この途中で、なぜか私服を着た見知らぬ男子生徒に
ぶつかってしまい、走りながらも慌てて謝っておく。
「…………?」
でも、どうしてか既視感があるような──
そう思い足を止めた私は、背後を振り返って
改めてその男子生徒を視界に入れる。
「あ……!!」
目が合うと、もうぶつかった後なのに再び慌てだす。
なんだこの謎の生物。
「(緑掛かった黒い髪と丸い目……オレンジ色のバンダナ……)」
……ん?
「(円堂と似たバンダナだ)」
「あっ、あの! 試合、行かなくて良いんですか……?」
相手を見つめたまま考え込んでいると、
戸惑っている相手が舌をもつらせながら聞いて来た。
ああ、さすがに何も言わずに見ているのは失礼だったか。
「……どうして私が、サッカー部の部員だと?」
入っているのは確かだが、
それを雷門の全生徒に公にしてきたわけではない。
「え!? あ、えっと……それはその、俺サッカー部のファンで……!!」
「……(まだ実力も知れていない筈の部の?)」
それはおかしい。
一度でも練習試合をしたことのあるチームだったなら
まだ理解はできたが、雷門は今回が初めての試合だ。
turning.12 帝国学園→←turning.10 雷門中サッカー部
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フェイル(プロフ) - ロンさん» はい、王牙本編は以上で終了です。後は番外編で無印補完という事になりますね! お知らせは、出来れば明日に書ければいいなとは思っています…… (2015年5月18日 20時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - とうとう、終わった・・・のか？ (2015年5月18日 20時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» あ、ごめんなさい! 実は劇場版の本編は45話までで終わりという事になっています。後に二話程のおまけをつけますが、それはオリジナルです。また、番外編の方でも王牙関連のお話を数話載せるつもりですから、全45話+αです。 (2015年5月14日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あと8話！ファイトですよ！とうとう、試合終わってしまいましたね・・。あとは、何かあったっけ？オリジナルですか！？ちがったらごめんなさい！ (2015年5月13日 18時) (レス) id: 59aa0972bb (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ロンさん» いいえ、とんでもありません……! その証拠に、この小説の容量が50話分だと考えて残り数話しかない状況を見れば、まず王牙と雷門イレブン達とのやりとりが少なくなっているだろうなと予測がつくと思います……。そう言っていただけてとても嬉しいです^^ (2015年5月10日 9時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フェイル | 作成日時：2015年4月6日 0時
