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＊ ページ8
「ねえ、トントン」
わたしの呼びかけに肩を揺らして、彼が振り返る。
昨日の今日で気まずいのだろう、泳ぐ目が隠しきれていない。
ちらちらとわたしたちを盗み見る友人らの視線が、少し鬱陶しかった。
「昨日はごめんね。…ちょっと、びっくりしちゃって」
「い、いや。俺こそごめん」
昨日、わたしは『わたしという存在』を知った。
自分の中で燻っていた衝動を、知った。
「それで、」
彼が鼻をさする。
昨日の失敗を繰り返さないようにしているのだろう。
本能だとか言うものに、わたしも彼も振り回されっぱなしだ。
「待って。わたしから言ってもいい？」
わたしの中を巡る『血』に、彼の中を巡る『血』に。
「昨日の話、もう一回聞かせてよ」
もう抗えないのならば。
「よかったら放課後、待っててほしいな」
いっそ、2人に都合よく片付けてしまいましょう。
目の前の彼が息を飲む。周囲の視線も無視して、わたしはそれに笑ってみせた。
【zm】An evil mutant VS The human race→←＊
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作者名：越生 | 作成日時：2017年12月21日 23時
