むそじ あまり いつつ ページ17
その想像がまた私の心を痛ませるが、
ブンブンと頭を振って何も考えないようにした。
なんにしろ、今お兄ちゃんと会わなくて済むのは私にとっても都合がいい。
ｼｬｰ…
『…鏑丸…迎えに来てくれたの？』
お揃いの赤い目でいつだって優しく寄り添ってくれる鏑丸が好き。
鏑丸を肩にかけ、縁側に行く。
ーーー
『ここは…ポカポカしててあったかいねぇ…』
あんなジメジメしたところと違って。
『また、口調戻っちゃった…』
お兄ちゃんは、物凄く勉強したから頭がよくって、字も綺麗だし難しいことも沢山知ってる。
だからそれに釣り合うようにって
…頑張ってたんだけどなぁ。
「ｼｬｰ、」
『私さぁ…疲れちゃったや。
どんなに勉強しても鍛錬してもいつまで経っても足手纏い。
お兄ちゃんの後ろ、ぴったりくっついてたつもりだったけど、いつのまにかこんなに離されちゃってて。
お兄ちゃんを幸せの為に生きてやるって思ったけど、
＿＿私がお兄ちゃんのためにできることって何にもないなぁ…』
口調も崩れる、少し気持ちが揺らいだだけでまた昔に戻ったみたいに何もできなくなる。
馬鹿で、弱くて、何もできなかったあの頃に。
『鏑丸〜、そんなに泣くなよなぁ〜。』
自分と同じ赤色が潤むと私も悲しくなる。
『私が死んでもさ、鏑丸は生きててよ。
お兄ちゃんの側でさ、ずっと。
幸せに生きろよ、絶対。』
「ｼｬｰ‼」
『あは、今度は怒るんだね。』
泣いたり怒ったり忙しいね。
宇「そりゃあ怒るだろ。
まるで自分は死ぬみてぇな言い方だ。」
『宇随さん…勝手に入ってきちゃダメですよ。』
いつのまにか後ろに居たのは宇随さん。
宇「残念、伊黒の許可は貰ってるぜ。」
…私たち共通認識としてここの家主は鏑丸なんだが。
ま、いっか。
引退されたとはいえ、元柱。
一般隊士である私は挨拶をしなければとは思うが心の切り替えがうまくできない。
『…宇随さん。』
宇「あー、いい。
今日くらいは堅っ苦しいのはなしだ。
怪我人ってことでみなかったことにしてやんよ。」
優しい人だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 703人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
見知らぬ猫 - 自分的には�，�いいです。 (2023年3月21日 12時) (
レス) @page40 id: 9c10c18c2c (このIDを非表示/違反報告)
御白灯花(プロフ) - �，�いいです (2023年2月13日 13時) (レス) @page40 id: 0bf28ac5be (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 受験合格ほんとにおめでとうございます！！！！私的には1か3ですかね、、、私は主様の作品ならなんでも好きなので何番でも嬉しいです(？) (2023年2月13日 13時) (レス) @page40 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - みおさん» きゃー、愛されちゃいました笑。応援ありがとうございます！あと正解を叩き出してくれて嬉しい限りです。読者様を泣かせることができて書いた甲斐がありました〜笑 (2023年2月13日 1時) (レス) @page39 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 受験頑張ってください！！夢主の伊黒さんへの恋心に気付いていたのは善逸ですかね…結構自信ないです笑改めて完結おめでとうございます！！！主様も作品も愛してます！！ (2023年1月2日 18時) (レス) @page38 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カナデ | 作成日時：2020年5月2日 14時
