彼との遭遇 ページ10
Aside
奴が消えて間も無く、ほとんどのプレイヤーがこの状況を理解する。俺たちの周りから恐怖、不満が爆発する
「ここから出せ」とキレるもの。「誰か助けて」と嘆くもの。色々いる。だけどそんな現実逃避をしてる時間はとうに過ぎたのだ、これから俺たちが取るべき行動は
「カナデ!今から移動するぞ!」
カナデの手を引く、まずはこの場から離れないとあとあと身動きが取りづらくなる。移動するなら周りが動けない今しかないのだ
「えっどこに?」
しかし、急に手を引かれたカナデは体の重心を後ろにかけブレーキをかける。こいつも表面には出してないが内側ではとんでもない恐怖に駆られている。だから体が咄嗟に抵抗した
その証拠に彼女の手は震えている
「大丈夫だ。安心しろ、俺がついてる」
空いている手も合わせて彼女の手を優しく包み込みジッと目を合わせ笑いかける
ちっとも大丈夫じゃないし、この状況で安心も出来るわけがない、けどこれが俺に出来る最大だ
しかししていると彼女の深い茶色の瞳はとても綺麗だった。吸い込まれそうだ
「や……その、も、もう大丈夫だから!」
カナデは、声を荒げ、両手で俺を突き放す
その時、頬が少し赤くなっているように見えたのはきっと夕陽に当たっていたからだろう
「そ、それでどこ行くの?」
息を整えながらカナデは首をかしげる。その姿には恐怖の面影もなく、何かしら区切りをつけたような表情をしていた
「次の村だ。きっと二週間もしないうちに、この始まりの町付近のモンスターは、一匹残らず狩り尽くされる」
ようやく本題に入れる。このゲームはレベル・スキル併用型だ、そしてその2つを上げるためにはモンスターを倒して経験値を得る必要がある。そしてβテスターは1000人、残り9000人は完全な初心者だ。
「つまり……上手く自分のレベルをあげられないじゃない!」
理解が早くて助かる。初心者達が安全にレベリングできるとすれば今現在はここ。そいつらが一斉にモンスターを狩れば一瞬あの平原には何も湧かなくなる。
「そう言うことだ、だから今すぐ移動するぞ!俺は、ベータで安全なルートをしってる!」
そうして次第に次の場所、次の場所へと初心者は転々とし狩り尽くされてしまう。そうなる前に次の村へ行きレベルを上げてしまおうという算段だ。
「うん!」
カナデはそう決まるとそそくさと人ごみの中をすり抜けて行く
……何だあの切り替えの早さ
そう思いながら俺は、カナデの後を追いかけた
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うんピー(プロフ) - MONACAさん» 一応最後まで書く気はあるのですがいかんせんリアルででいっぱいなもので、HUNTER×HUNTER程度の期待値でお待ちいただけると……(^^;; (2021年11月4日 3時) (レス) id: cb21e37312 (このIDを非表示/違反報告)
うんピー(プロフ) - MONACAさん» コメントありがとうございます!階層の件ですがまぁ二次創作物という事で目を瞑ってくださると嬉しいです( ̄◇ ̄;)。一応20層まで行けた理由などは今後ざっくりか深く掘るかは分かりませんが描写するつもりですのでそれを待っていただけると嬉しいですm(._.)m。 (2021年11月4日 3時) (レス) id: cb21e37312 (このIDを非表示/違反報告)
MONACA(プロフ) - ベータテスターの際の最終攻略は9までだっだと思います。10層目以降は誰も到達してなかったと言うのが原作なので、夢主が20層まで到達してるのはおかしいな…と思いました(^_^;)でもお話は面白いです! (2021年10月23日 0時) (レス) id: a9ad292b3c (このIDを非表示/違反報告)
うんピー(プロフ) - ロベリアさん» part2で、話してますが。トプ画は2年前に水鏡さんという方に描いて頂いたものです。 (2019年12月22日 14時) (レス) id: ee3d0bab79 (このIDを非表示/違反報告)
ロベリア(プロフ) - トプ画すごく上手ですね!! (2019年12月22日 6時) (レス) id: 6670beebf5 (このIDを非表示/違反報告)
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