第百十幕 ページ16
目が覚めると床だった。
自分でも気がつかないうちに、家の中に入っていたらしい。
だが、流石にベッドまで歩く気力はなかったみたいだ。
あ、そういえば。
今日は休みではなかった…?
慌てて時計を確認するが、まだ時間は早朝だった。
一瞬焦って損をしたみたいだ。
せっかく目も醒めたので、店の方の片付けに取り掛かる事にする。
と言っても、昨日までに大方片付けを終えてしまったので、ほとんどする事もない。
『しばらくって言っても…いつにしようかな』
本当に少なかったとはいえ、常連客もいた訳だ。
そもそも、劇場にあの花屋が出来なければ生活ができる程度には稼げていたんだから。
その時、ふとベラドンナの事を思い出した。
あの薬、衣装のポケットに入れたままだった…!
誰かに見られたか？
それとも気がつかれていない？
自分でも分かるくらいには、動揺していた。
大丈夫だ。
きっと、誰も見ていない。
今日使わないで、そのまま捨ててしまえば良いだけ。
私はあれ無しでもできるんだから。
心の中で、何度も繰り返す。
やがて時間も経ってきており、少し早いが劇場に行くことにした。
楽屋に入り、真っ先に自分の衣装を確認する。
今なら、誰に見つかる心配もないだろう。
ただ、衣装の見た目にちょっとした違和感を感じた。
あれ、この部分。こんな飾りがついていたはずは…?
そして、自分でも血の気が引くのが分かった。
衣装は、自分が着ていたものではなくなっていたのだ。
よく似ているし、サイズも同じ。
だが、別物になっている。
つまり、私以外の誰かがこの衣装に触れた訳だ。
もしその時、あの目薬を見られていたら…?
「おはよう。早かったね」
どうしようかと思考を巡らせていると、ロナードが楽屋に入ってきた。
慌てて軽く笑顔になると、なんでもないといった様子で首を振る。
「あ、そうだ。
昨日さ、君の衣装が汚れていたから少し取り替えたんだ。
それで、衣装の中に忘れ物があったから…はい」
それを見て、さらに血の気が引いた。
彼が手に持っていたのは、紛れもなく私が探していた物だったからだ。
『ありがとうございます、えっとその。
あの衣装が汚れていたというのは』
幸い、ロナードはこれが何か気がついていない様だった。
私は衣装の方に話題を逸らす。
すると、ロナードは遠慮がちに話を始めた。
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海猫珈琲(プロフ) - お茶飲み隊・茶柱さん» 嬉しいコメント本当にありがとうございます！中々更新が遅れていますが、しっかり完結できるように頑張ります！ (1月21日 16時) (
レス) id: 2d7b04296e (このIDを非表示/違反報告)
お茶飲み隊・茶柱(プロフ) - 第五人格の小説の中でもダントツで読みやすく、ストーリーの構成が綺麗だと思いました…！！こんなに好きだと思えた作品あまり無いので出会えて嬉しいです！！更新、のんびり待っています (12月13日 17時) (レス) id: 97cc3b8ecb (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 海猫珈琲さん» 無理をしない程度に楽しんでくださいね!こちらこそありがとうございます! (6月7日 8時) (レス) id: 7a2b30f834 (このIDを非表示/違反報告)
海猫珈琲(プロフ) - 3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信さん» お久しぶりです！長らくお待たせしました。これからは更新頻度どんどん上げていきますね！コメントありがとうございます。 (6月7日 8時) (レス) id: b2ab9dc6ab (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - お久しぶりです!久々の更新､大変嬉しいです!いやぁ今後の展開がすごく楽しみです! (6月7日 6時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海猫珈琲 | 作成日時：2023年1月28日 11時
