qkの小説-2

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伊沢side

僕の恋人の河村さんは不思議な人だった。

その不思議な河村さんにパラレルワールドについてちょくちょく聞いてはいたが、信じてはいなかった。


河村「もしこの世界で誰か亡くなった場合、パラレルワールドのその人を殺して魂をもってくれば生き返らせることができるらしいよ」

伊沢「それ本気で言ってます？」

河村「うん」

伊沢「てかどうやってそのパラレルワールドに行くんですか」

河村「本当に助けたいと思っている人のことを思えば自然に行くらしい。どんな世界にいくかはランダムっぽいけど」

伊沢「へぇー…」

河村「お前信じてないだろ」

伊沢「はい笑」


そんな会話をしたあと、彼は亡くなってしまった。


しばらくは絶望感に押しつぶされていたが、ふと、この話を思いだした。


…河村さんに、会いたい。もう一度。


そう思ったあと、俺はいつの間にか河村さんの家にいた。


夜中だったと思う。
俺の愛する人はすやすやと眠っていた。


伊沢「河村さん…」

久々に生きている彼を見た。

いつも一緒に寝ていたベッドで彼は眠っていた。

まさかもう一度彼を見れるなんて。
俺は気づいたら布団に入って一緒に寝ていた。

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生きていた彼はいまは動かない。

二度彼の死体を見るのは結構メンタルにくる。

でも。


伊沢「なんで僕の世界でこんなことになるんですか。理不尽じゃないですか……」


別の世界の愛する人を殺してしまった絶望感よりも、本来の世界の愛する人ともう一度会える幸福感に彼は満ち溢れている。

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