ホリウッドの夢 ページ1
「いらっしゃいませ」
からりと揺れるベルの音と、其れよりもずっと高い声。
振り向けば其れは、所詮「ごく平凡な女の子」な訳で。
こんな夜の街には勿体無い位の明るさを持っていて。
でも、何処かに魅力を隠している。そんな人だ。
今日も一つに纏めた黒髪が純白の前掛に映えている。
「あっ、太宰先生!お久し振りですね」
「嗚呼、そうだねぇ。そうなのだけど…」
「如何か致しました?」
首を傾げる少女__未だ十八だった__の手を取り口付ける男。
少女は羞じらう様子も無く溜息を吐いている。
「心中しy」
「丁重で無くともお断りさせて頂きます!」
「連れないなぁ…あっ、何時ものね」
「はぁい(ぺしっ)」
「いったあっ!」
__________
「いったあっ!」
「何時迄寝ている!迷惑噴射機!此処は貴様の寝床では無いのだぞ!」
「え…国木田君…?」
「貴様には何が見えているのだ」
「否…なんでもなぁいっ」
「は?」
___太宰が魘されていた。此処最近頻度が増えた様にも感じる。
まぁ、俺の空回りだろうが、矢張り起こさずには居られない。
太宰も魘されずに済む、仕事も……やらないか。
一石二鳥とは云えそうに無いが、悪い気はしないな。
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作者名:おふとぅん。 | 作成日時:2018年8月19日 2時