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side.Ryusei
重｢…なんで今日に限ってこんな天気なん？｣
電話越しの彼の声は、この上なく不機嫌だ。
藤｢…まあ、こういうこともあるよな。｣
待ちに待った、俺の誕生日。
二人で一緒に遊園地に行こうと思っていたのだが、不幸なことに天気は大荒れ。
藤｢今日はやめとこか。｣
重｢…｣
藤｢あれ？どうした、しげ？｣
一向に返事が聞こえなくて、ちょっと焦る。
重｢今から会いに行ってもええ？｣
藤｢は？なんで｣
思ってもいなかった台詞に戸惑いを隠しきれない。
重｢…会いたいから、ええやろ。｣
藤｢…？？？｣
彼が発した言葉を、都合の良い俺の妄想かと疑った。
そんなこと言われちゃ、俺の思考回路はショート寸前。
重｢今ちょうど雨も弱くなってるし、行くから。待ってて。｣
藤｢え、ちょ、しげ…！｣
俺が言葉を見つけるより先に、電話は切られてしまった。
スマホを右手に握りしめたまま、呆然とする俺。
…今、会いたいって言うた…？
それは彼に恋してからずっと夢見てた言葉のひとつで。あまりにも甘美で。
鼓動が途切れそうにない。
呆然としているうちに、家中にインターホンの音が鳴り響いた。
反射的に立ち上がって、母親が応答するより早く玄関へ駆けた。
勢いよく扉を開けば、そこには愛しくてたまらない人の姿があった。
藤｢…しげ…｣
重｢よ！誕生日おめでと！｣
いくら弱まったとはいえ、雨の中を歩いてきたから、その足元はぐっしょりと濡れていた。
藤｢…ええから入って。風邪ひく。｣
重｢ええよ、ここで。｣
藤｢よくない。｣
遠慮するしげを引っ張って、家に上がらせる。
俺の部屋に入ると、しげはちょっと乱暴に紙袋を押し付けてきた。
藤｢…なに？｣
重｢プレゼント…｣
藤｢え、わざわざ用意してくれたん？｣
重｢うん…これ渡したくて来た。｣
照れくさそうに言う彼。
嬉しすぎて、ちょっと泣きそう。
藤｢開けてもいい？｣
重｢…ええけど、その、おれ、センスとかないし…いらんかったら別に…｣
何やらぶつぶつ言っているのを無視して、袋を開けると。
青色のペンケースが入っていた。
重｢流星、この間ペンケース壊してたから…｣
そんなこと、覚えてくれてるとは思いもしなくて。
予想外の連続すぎて。
藤｢嬉しい、ほんまに嬉しい。｣
俺の言葉に、はにかむ笑顔が眩しかった。
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しげじゅん(プロフ) - はじめまして！コメント失礼します！ とても素敵なお話ですね！いつでもいいので更新してほしいです！完結を楽しみにしてます！！ (2018年1月28日 0時) (
レス) id: 5a906eaa64 (このIDを非表示/違反報告)
キラタ(プロフ) - はじめまして！まだ１６話なのですが、大好きな作品です（；_；）頑張ってください！ (2016年8月20日 16時) (レス) id: 70f0de6510 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎 - 初コメ失礼します！もうコイツら可愛すぎだろ、と毎回更新される度に思います。ちょくちょく出てくるシリアスな場面も私大好きです。健人と重岡の間に何があったのか、これから流星と重岡はどうなっていくのか気になります！更新楽しみにしております(´`* (2016年8月18日 20時) (レス) id: 477d0c9d6c (このIDを非表示/違反報告)
桐山茉莉(プロフ) - 何なんでしょうかこのくそかわいいイキモノ...((( 更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2016年8月17日 18時) (レス) id: e6ae07846c (このIDを非表示/違反報告)
°｡+｡☆らいちゃん☆｡+｡ﾟ(プロフ) - しげちゃん可愛すぎてやばいです！！毎回続きな楽しみすぎてやばいです*\(^o^)/*更新頑張ってさい！ (2016年8月15日 7時) (レス) id: d11b68e20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 | 作成日時：2016年7月31日 8時
