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side.Nozomu
あの一件の翌日、俺たちはその話題には触れなかった。
しげも、最初は警戒したような目を向けて来ていたが、そのうち何も聞かない俺たちに安心したらしく、いつもの様子に戻っていった。
そのまま平穏な日々が続いた、ある日のこと。
藤「…望はほんまに俺を応援する気あるんか。」
端正な顔が生み出す怒りの表情ほど、恐ろしいものはないと思う。
元々彫りの深い顔が、より濃い影を纏って俺を見てるんだから。
小「なにがやねん!こんなに相談乗ってやってるやんか!」
夜にこっそりバルコニーに集まって、流星の恋バナを聞いてやるのがもはや毎晩の日課になりつつある。
いつもはデレデレしながら、あれが可愛かっただの、俺に構ってくれただの、幸せに話すのだが。
今日は久しぶりのお怒りモード。
藤「…信用できひん。なんなん、今日のアレ。」
小「…アレ?」
藤「忘れたなんて言うたら許さんぞ?指輪や!」
小「あ、ああ…指輪ねぇ…」
流星ご立腹の指輪事件と言うのは、今日の昼、突然起こった。
部活の休憩中のこと。
重「こたき、こたき」
しげが急に近寄ってきた。
小「なに〜?」
重「指輪見せて!」
俺の右手の指にはめられていた指輪に興味を持ったらしく、外すように催促された。
言われるがまま、指輪をしげに渡すと信じられない行動に出た。
俺の指輪をパクリ。
口の中に放り込んだのである。
小「はぁああ!!!????」
驚く俺の表情を見て満足気に笑うと、口から唾液まみれの指輪を取り出し、そのまま俺に返してきた。
小「な…何すんねん…」
重「んー?まあ大丈夫やろ!」
にへっと笑って大丈夫って言われると、何故か大丈夫な気もして、そのまま指輪を元の指にはめ直した。
小「…でもあんなん何も羨ましくはないやろ…唾液まみれやねんで?お気に入りの指輪が。」
藤「好きな人の唾液、欲しいやん。」
しれっとした表情でそう言う流星。
小「…お前…そういうとこやぞ…」
流石の望くんでも、今のはちょっと引いたぞ…
藤「ほんまにズルいわぁ〜。望とか淳太はいっぱい構われて。」
小「お前の場合はその変態思想が透けて見えてるんやって!ちょっとは自重せい!」
藤「…俺の指輪やったら食うてもええのに。」
小「…末期や」
思春期流星くんに手を焼いていた時、
重「あれぇ?こんなとこでなにしてんの?」
背後でした声に、背筋が凍った。
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しげじゅん(プロフ) - はじめまして!コメント失礼します! とても素敵なお話ですね!いつでもいいので更新してほしいです!完結を楽しみにしてます!! (2018年1月28日 0時) (レス) id: 5a906eaa64 (このIDを非表示/違反報告)
キラタ(プロフ) - はじめまして!まだ16話なのですが、大好きな作品です(;_;)頑張ってください! (2016年8月20日 16時) (レス) id: 70f0de6510 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎 - 初コメ失礼します!もうコイツら可愛すぎだろ、と毎回更新される度に思います。ちょくちょく出てくるシリアスな場面も私大好きです。健人と重岡の間に何があったのか、これから流星と重岡はどうなっていくのか気になります!更新楽しみにしております(´`* (2016年8月18日 20時) (レス) id: 477d0c9d6c (このIDを非表示/違反報告)
桐山茉莉(プロフ) - 何なんでしょうかこのくそかわいいイキモノ...((( 更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2016年8月17日 18時) (レス) id: e6ae07846c (このIDを非表示/違反報告)
°。+。☆らいちゃん☆。+。゚(プロフ) - しげちゃん可愛すぎてやばいです!!毎回続きな楽しみすぎてやばいです*\(^o^)/*更新頑張ってさい! (2016年8月15日 7時) (レス) id: d11b68e20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 | 作成日時:2016年7月31日 8時