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side.Ryusei
6月も中旬の朝。
最近はほんまに今は梅雨なん?ってくらい暑い。
もう梅雨通り越して夏来てもうたんちゃう?
シャツの第一ボタンを外すのはお洒落のためだけではない。
だって、暑いんやもん。
ボタンひとつで、体感温度が2度くらい違う気がする。
こんなに窮屈で、暑苦しいものをバカ真面目につけているヤツの気がしれない。
そんなことを考えながら教室へ向かうと、聞き慣れた声がした。
重「…いや、だからほんまにできませんって」
桐「やってみんとわからんやん!君、ほんまにええもん持っとるし、俺が今まで見た男の中でいっちばん向いてると思うねん!」
なにやら、しげが男に絡まれていた。
諦め悪く、しげに何度も声をかける男は、シャツに付いている緑色のバッジからして、3年生のようだった。
重「そんなに持ち上げられても、無理ですって。」
桐「見学だけでもいいから!絶対楽しいから!」
しげのヤツ、めっちゃ嫌そうな顔しとる。
普段あんまり見ない、不機嫌な表情が面白くてもっと見ていたかったが、そろそろ助け舟を出してあげよう。
藤「どないしたん、しげ。」
重「あ、流星!よかった〜、ちょうどええとこに来た!」
途端にほっとした表情を見せる。
3年生の先輩はというと、俺の頭の上から足の先までをひと通り凝視する。
桐「…お友達…?」
藤「そうですけど…」
桐「男前やなー、君!!君も一緒にどう?演劇部!!」
演劇部?
桐「今な、部員が3人しかおらんくてまともな芝居のひとつもできへんの。君ら、男前やから舞台映えすると思うねん。1回だけでもいいから来てくれへん?」
ふーん、そういうこと。
藤「じゃあ、あともう2人連れてっても良いですか?めっちゃ男前やし。」
桐「ほんまに…!?来て来て〜!絶対楽しいから!」
重「ちょ、ちょっと…!流星!」
てっきり断るとでも思ったのか、不満そうな表情で見上げてくるしげ。
俺だって演劇に興味があるわけではない。
ただ、しげがテンパってるのが面白くて、ちょっといじめてやりたかっただけ。
藤「ええやん。みんなでやったら楽しいと思うで。」
桐「じゃあ、放課後に理科研究室な!待っとるで!」
先輩はそう言い残し、手を振りながら帰って行った。
相変わらず不満そうに俺を見上げるしげ。
その首元に目が止まった。
バカ真面目に一番上まで留められたボタン。
窮屈なソレに、思わず顔をしかめた。
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しげじゅん(プロフ) - はじめまして!コメント失礼します! とても素敵なお話ですね!いつでもいいので更新してほしいです!完結を楽しみにしてます!! (2018年1月28日 0時) (レス) id: 5a906eaa64 (このIDを非表示/違反報告)
キラタ(プロフ) - はじめまして!まだ16話なのですが、大好きな作品です(;_;)頑張ってください! (2016年8月20日 16時) (レス) id: 70f0de6510 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎 - 初コメ失礼します!もうコイツら可愛すぎだろ、と毎回更新される度に思います。ちょくちょく出てくるシリアスな場面も私大好きです。健人と重岡の間に何があったのか、これから流星と重岡はどうなっていくのか気になります!更新楽しみにしております(´`* (2016年8月18日 20時) (レス) id: 477d0c9d6c (このIDを非表示/違反報告)
桐山茉莉(プロフ) - 何なんでしょうかこのくそかわいいイキモノ...((( 更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2016年8月17日 18時) (レス) id: e6ae07846c (このIDを非表示/違反報告)
°。+。☆らいちゃん☆。+。゚(プロフ) - しげちゃん可愛すぎてやばいです!!毎回続きな楽しみすぎてやばいです*\(^o^)/*更新頑張ってさい! (2016年8月15日 7時) (レス) id: d11b68e20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 | 作成日時:2016年7月31日 8時