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side.Akito
(…経験者みたいや。)
しげの演技を初めて見た俺の感想。
あんなに出来ない出来ないって嘆いてたくせに、やっぱり素質あるやん。
俺の目に狂いはなかった！
なんてくだらないことを言った。
何も知らない俺たちは、彼に期待を寄せつつ、嫉妬したり。憧れたり。
初心者のくせに立派なもんだと、感心しきっていた。
ある事実を知ったのは、つい最近である。
文化祭用の脚本づくりのために、とある劇団の舞台の映像を見ていた時のことだった。
(…あれ？)
その舞台で主役を張っていたのは、最近よくテレビで見かけるイケメン俳優。
この間、映画の主演も果たしたんだっけ。
当時、中学生だった彼はその頃から他を圧倒する輝きを持っていた。
その彼と同等、若しくは彼に次ぐと言って良いくらいの演技をする少年。
その笑顔に、見覚えがあった。
そんなはずはないと思いながら目を離すことが出来ず。
華奢で、小柄な少年の
その眼差し。
その呼吸。
その独特の間。
すべてに既視感を覚える。
(…嘘だ、嘘だ、嘘だ…！)
バクバクと音を立てる心臓と、震える右手。
そして少年が、アップで画面に映し出された瞬間に確信をした。
その少年は、紛れもなく俺の後輩だった。
桐｢…なぁ、淳太くん。初めてしげの演技見た時、どう思った？｣
中｢…上手いなって思ったよ。経験者みたいやって。｣
怪訝そうな目で返す淳太くん。
桐｢…それがもし、ほんまやったら？｣
中｢…どういうこと？｣
桐｢…ほんまに、経験者やったら？｣
そこまで言うと、淳太くんは目を見開いた。
追い打ちをかけるように、彼に例の映像を見せれば、淳太くんは小さくため息をついた。
中｢…なんなん、これ。｣
桐｢びっくりするやろ？主役級やで。｣
中｢…なんで、なんでここまでやってるって言わへんの。｣
淳太くんが呆れたような声で言う。
桐｢…言えないような理由があるとか？｣
中｢…なんやねん、それ…｣
桐｢ひとつ、気になることがあるんよ。｣
難しい顔をする淳太くん。
そんなのお構い無しに話を続ける。
桐｢しげが出てくるの、このシーンだけやねん。｣
中｢…え？｣
桐｢ほかのシーンは別の子が全部やってんねん。このシーンだけ、なぜかしげになるんよ。｣
出演者の名前が並ぶ、エンドロールには。
彼の名だけが、見つからなかった。
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しげじゅん(プロフ) - はじめまして！コメント失礼します！ とても素敵なお話ですね！いつでもいいので更新してほしいです！完結を楽しみにしてます！！ (2018年1月28日 0時) (
レス) id: 5a906eaa64 (このIDを非表示/違反報告)
キラタ(プロフ) - はじめまして！まだ１６話なのですが、大好きな作品です（；_；）頑張ってください！ (2016年8月20日 16時) (レス) id: 70f0de6510 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎 - 初コメ失礼します！もうコイツら可愛すぎだろ、と毎回更新される度に思います。ちょくちょく出てくるシリアスな場面も私大好きです。健人と重岡の間に何があったのか、これから流星と重岡はどうなっていくのか気になります！更新楽しみにしております(´`* (2016年8月18日 20時) (レス) id: 477d0c9d6c (このIDを非表示/違反報告)
桐山茉莉(プロフ) - 何なんでしょうかこのくそかわいいイキモノ...((( 更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2016年8月17日 18時) (レス) id: e6ae07846c (このIDを非表示/違反報告)
°｡+｡☆らいちゃん☆｡+｡ﾟ(プロフ) - しげちゃん可愛すぎてやばいです！！毎回続きな楽しみすぎてやばいです*\(^o^)/*更新頑張ってさい！ (2016年8月15日 7時) (レス) id: d11b68e20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 | 作成日時：2016年7月31日 8時
