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side.Nozomu
昨日から文化祭で発表する舞台の準備に入った俺達。
練習の途中、流星から声をかけられた。
藤「なぁ望、部活終わったらどっか行かん?」
ここ2日くらい、やたらと流星が絡んでくる。
つい一昨日まであんなにしげといたくせに。
小「…ええけど、どうしたん?」
藤「え、何が?」
小「しげと。なんかあったん?」
何となく、ふたりの間に妙な距離があるように思えて。
そのことを問うと、流星は途端に表情を曇らせた。
藤「…なんもない。」
小「…嘘やん。そんな顔でよう言えたな。」
藤「何もないって言ってるやろ!」
流星の語調が強くなった。
それに驚いたみんなが、一斉に振り返る。
小「…話聞いたるから。」
流星に小声で伝えれば、少し申し訳なさそうな顔をした。
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藤「…窮屈やったから…」
二人きりのカラオケボックス。
俺が問いかけたら、流星は小さく呟いた。
小「…何が?」
藤「アイツ見ると、なんか。」
流星は眉間に皺を寄せたまま、続けた。
藤「…それが、第一ボタンのせいやと思って勝手に外した。」
小「え、お前がしげのを?」
難しい表情のまま頷く流星。
藤「…でも違った。むしろ息苦しくなった。」
いろいろ衝撃的過ぎて、俺も飲み込みきれていないところだらけだ。
ただ…もしかしたら…
(もしかしたら、流星は…)
藤「…あん時な、しげが言ったんや " お前おかしい " って。」
少し自重気味に口角を上げながら、絶望したように呟く。
藤「…ほんまに俺、おかしいねん…」
そう言って、頭を抱える。
ああ、やっぱり。
彼はきっと…
小「…なぁ流星?」
藤「…?」
小「お前、恋したことある?」
流星は不満そうな顔をした。
藤「ある。彼女紹介したことあるやろ?」
小「ちゃうねん。」
間抜けな顔をしたこいつはまだ、気づいていない。
小「誰かに惚れたことある?」
藤「…え?」
小「成り行きで付き合ったようなの恋って言わへんよ。」
まだわかってへんみたいやけど、俺が助けてやれるのは、ここまでや。
小「ほんまに苦しくなるくらい誰かを思ったこと、ある?」
目を見開いた流星に、望ちゃんお得意のエンジェルスマイルを投げつけて。
小「あとは自分で考えな。」
それだけ言うと、悩む流星を放ったらかして声が枯れるくらい歌いまくった。
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しげじゅん(プロフ) - はじめまして!コメント失礼します! とても素敵なお話ですね!いつでもいいので更新してほしいです!完結を楽しみにしてます!! (2018年1月28日 0時) (レス) id: 5a906eaa64 (このIDを非表示/違反報告)
キラタ(プロフ) - はじめまして!まだ16話なのですが、大好きな作品です(;_;)頑張ってください! (2016年8月20日 16時) (レス) id: 70f0de6510 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎 - 初コメ失礼します!もうコイツら可愛すぎだろ、と毎回更新される度に思います。ちょくちょく出てくるシリアスな場面も私大好きです。健人と重岡の間に何があったのか、これから流星と重岡はどうなっていくのか気になります!更新楽しみにしております(´`* (2016年8月18日 20時) (レス) id: 477d0c9d6c (このIDを非表示/違反報告)
桐山茉莉(プロフ) - 何なんでしょうかこのくそかわいいイキモノ...((( 更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2016年8月17日 18時) (レス) id: e6ae07846c (このIDを非表示/違反報告)
°。+。☆らいちゃん☆。+。゚(プロフ) - しげちゃん可愛すぎてやばいです!!毎回続きな楽しみすぎてやばいです*\(^o^)/*更新頑張ってさい! (2016年8月15日 7時) (レス) id: d11b68e20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 | 作成日時:2016年7月31日 8時