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「香坂はな、笑いながら言ってたよ。
私は自分のことを考えなさすぎるから、恵ちゃんがいつもストッパーになってくれてて、私がいま救命にいても、リーダーは彼女以外に考えられませんってな」
彼女達の気持ちが痛いほどに伝わってきて、思わず泣きそうになるのを、必死にこらえた。
結局そのあと、医局を出て外からICUを覗いた。
Aのベッドは外からかろうじて見える位置である、部屋の1番端にある。
そこにはベッドの横に椅子を出して腰掛け、足を組んで目を閉じている藍沢先生の姿があった。
脳の手術は、術後24時間は気が抜けない。
彼がついていてくれるなら、安心だろう。
緋山先生のところにも行こうとB-08の病室の前まで来た足は、そこで止まってしまった。
────……だめだ…私の弱虫…。
結局その日は彼女の病室には入らずに、ひとりで過ごす久しぶりの夜を迎えることとなった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(緋山)
まさか緒方さんが病室に来るなんて、思いもしなかった。
聞くところによれば、名取が伝えたらしい。
けれど、ひとりで致死率80%という数字に怯えていた私にとって、緒方さんの存在は思った以上に大きくて。
他愛もない話をしたのち、帰っていく彼の背中を見送って。
明日にはここから出たら、一番にAの様子を見に行って、夜には今日守れなかった約束を、もう一度果たすために。
────早く、明日になれ。
ひとりぼっちで眠るのは、ソファではなくてちゃんとしたベッド。
それなのに、この心にぽっかり空いた穴は、何なのだろう────────。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(藤川)
「…大丈夫よね。
Aも、緋山先生も」
そう言って病棟を見上げるはるかは、いつになく落ち込んだ顔をしていた。
俺も正直、今回のことには頭が追いつくのに時間がかかった。
────あの黒田先生まで来てたんだよなぁ…。
会うことは叶わなかったが。
「こういうときでしょ、なんか余計なこと言ってよ」
「…大丈夫って、すっごい優秀な男って意味なんだって」
「はぁ…やっぱ余計だった。
Aも緋山先生も男じゃないでしょ。
でもそれほんと？」
「分かんない」
なるべく笑顔で答えながら、俺も病棟を見上げた。
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リラン(プロフ) - 前にも読み終わったんですけど、また読みたくなって読んじゃいました笑ところどころ私の好きな小説と似たようなセリフでてきていて、感動っていうかすごく心に響くめんがありました！改めていい作品です！ (2022年7月22日 8時) (
レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
クリスティ38(プロフ) - もはや、オリジナルすぎてコードブルー←ではないと思いますが。一個人の感想ですので……夢主以外にオリキャラだした時点で、オリジナル多すぎな時点でもう脱線というか、名前使った別物に感じました。私が、オリジナルやオリキャラ出すの認めてない人なので…… (2019年9月23日 18時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
Mitsuki - 最近更新されていないようですが、大丈夫ですか？更新されるのを楽しみにしています。 (2017年11月10日 15時) (レス) id: 45294f18cf (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネ - なんなんですか！明日学校なのに泣きすぎて目が腫れてしまうじゃないですか！と怒りたくなるくらい面白かったです。これも、何度目かのコメントですが、何回もコメントしたくなるほど面白いです！更新頑張ってくださいね。 (2017年9月19日 1時) (レス) id: c2c72ce877 (このIDを非表示/違反報告)
Kazsaaaan(プロフ) - 初めまして！ずっと1話から読ませていただいておりまして、今回８話のお話が涙なしでは読めなかったので気持ちを我慢できず感想を書きに来ました！もう！大好きです！過去のお話含め、切なさありキュンあり、ハラハラドキドキな毎話。更新楽しみにしています！ (2017年9月11日 23時) (レス) id: 5f115adcd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月5日 0時
