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(third party．-第3者-)
────ごめんね。
長いまつ毛がふるりと震えて、ゆっくりと瞼が押し上げられる。
「……あら、起きたのね。
よく眠っていたから、あえて起こさなかったんだけど…」
穏やかな声音は高く澄み、懐かしさを感じる。
「……ん…」
眠気に潤む瞳にひとつ瞬きをして、薄茶の髪がさらりとこぼれ落ちるのに合わせて身体を起こす。
「……ここ…どこ？」
「さぁ…どこかしら」
そんな素朴な疑問に、なんとも言えない返答があって、少女はゆるりと背後を振り返る。
まばゆい太陽光が照らされて、女性の面影は全く見えない。
「さっきからずっと、呼んでいるのよ」
「誰を？」
「────貴方を」
けれどそこへ行こうにも、もう疲れてこうして起き上がって会話をするだけで精一杯だ。
「でももう…疲れて、動けないよ」
「でもずっと、悲しそうな声で呼んでいるのよ。
いつも、貴方を思っているのね…」
行ってあげないの？と問われて、少女は悩ましげに首をめぐらせる。
「行きたいけど…足が動かない」
大丈夫よ、と声がした。
「私はもう、行かなくてはならないけれど…背中を押してあげる。
だから…、────あなたは帰りなさい、A」
少女ははっとして立ち上がる。
光に反射した面影は、見覚えのある優しいものだった。
やわらかく背中を押されて、また意識が眠りのそこに沈んでいく。
「…っ、ぁ、まって…！」
振り返りざま、最後に見たその面差しは、忘れたくても忘れることはできない。
おかあさん…────！
その顔は自分のものに、とても良く似ていた。
────ごめんね、A…。
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(藍沢)
「…っ、！」
「………藍沢、もう…」
「嫌です…。
助かる可能性が1%でもあるなら、俺はそれにかけます…！」
俺の額から滴り落ちる汗を見て、橘先生が言おうとした言葉を遮った。
まだ、何も伝えていない、聞いていない。
ようやくお互いが同じスタートラインに立てたと思った、その矢先のことだった。
嫌だ。
────A…っ！
息をひとつ吐き出すのと、ほぼ同時だった。
手の内で、それまで止まっていた心臓が、動き出したのは────。
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リラン(プロフ) - 前にも読み終わったんですけど、また読みたくなって読んじゃいました笑ところどころ私の好きな小説と似たようなセリフでてきていて、感動っていうかすごく心に響くめんがありました！改めていい作品です！ (2022年7月22日 8時) (
レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
クリスティ38(プロフ) - もはや、オリジナルすぎてコードブルー←ではないと思いますが。一個人の感想ですので……夢主以外にオリキャラだした時点で、オリジナル多すぎな時点でもう脱線というか、名前使った別物に感じました。私が、オリジナルやオリキャラ出すの認めてない人なので…… (2019年9月23日 18時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
Mitsuki - 最近更新されていないようですが、大丈夫ですか？更新されるのを楽しみにしています。 (2017年11月10日 15時) (レス) id: 45294f18cf (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネ - なんなんですか！明日学校なのに泣きすぎて目が腫れてしまうじゃないですか！と怒りたくなるくらい面白かったです。これも、何度目かのコメントですが、何回もコメントしたくなるほど面白いです！更新頑張ってくださいね。 (2017年9月19日 1時) (レス) id: c2c72ce877 (このIDを非表示/違反報告)
Kazsaaaan(プロフ) - 初めまして！ずっと1話から読ませていただいておりまして、今回８話のお話が涙なしでは読めなかったので気持ちを我慢できず感想を書きに来ました！もう！大好きです！過去のお話含め、切なさありキュンあり、ハラハラドキドキな毎話。更新楽しみにしています！ (2017年9月11日 23時) (レス) id: 5f115adcd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年9月5日 0時
