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(香坂)
乗り込んだエレベーターには、恵ちゃんと橘先生がいた。
「お疲れさまです」
「いまちょうど、白石とお前の話をしてたんだ」
「相変わらず無茶ばっかりだって」
ごもっともなので、何も言えずに苦笑を浮かべる。
「もう身体は大丈夫か」
「はい、もうすっかり。
…あの、時期が合えば、週明けあたりから検査を始めようって京先生から連絡が。
何でも勤務先から貰える、こっちにいられる期間が伸びたそうで」
おそるおそる、といった体で橘先生に報告すると、彼はそうかそうかと嬉しそうに頷いた。
「そろそろ来るのか？」
「明後日だって言ってました。
私、その日はちょうど午後からなので、お迎えに行ってきます」
「あぁ、わかった」
荷物持ちもありますし、と笑えば、恵ちゃんもそうだねと小さく笑う。
バイクを駆って、成田空港までお迎えだ。
『先ほど受け入れ要請のあったホームから転落の男性、まもなく救急車で到着します』
「了解です」
名取先生の報告に、軽くシーバーを持ち上げて応答する。
────ホームから転落だなんて…不注意ならまだいいけど、人身事故とかだったら嫌だなぁ。
そんなことを思いながら、エレベーターの、初療室のある階のボタンを押す。
「あぁ、あとこれ、薬局からチェックするように言われてる。
白石、お前灰谷に睡眠薬出してるようだけど、ちょっと量が多いぞ」
橘先生がそう言いながら恵ちゃんに渡した用紙を、私も横から覗き込む。
「え？
…いや…」
「出してないのか？」
「出してません」
────変だな…。
「灰谷は？」
「今日は午後からです」
私が答えると同時に、エレベーターが目的の階につく。
「患者はこっちで見る、お前は先に灰谷に確認しろ」
「はい」
橘先生の後を追って、私も初療室に入る。
このとき、私はのちの後悔と絶望を知らない、幼子のような思考で、いつもと同じように処置をしようと考えていた────。
「────20代男性、ホームから転落。
頭部から出血あり、意識レベル3桁」
見るも無残なほどに、赤く染まったその頭部に押し当てられたガーゼは、もはやその役目を果たしていない。
「………ぁ…」
流れゆく赤。
のばされた、か細い手。
呼びかけに応える声は────
「………せ……ん、せ…」
────ない。
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
