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いまとなっては随分忘れようと努力したあの記憶も、私の中で生き続けているのだと、漆の塗られたような夜空を見上げて、思う。
まだ母が生きていたなら、いまの私にどんな言葉をくれるのだろう。
うまく伝えられない、この虚しさを。
この闇がもろとも、飲み込んでくれればいいのに。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(白石)
ナビゲーションテーブルに貼られていたAと、灰谷先生のマグネットシールを取り外しながら、私は今日の灰谷先生を思い浮かべていた。
「どうかしたか」
振り向いた先にいたのは藍沢先生で、Aは無事に病室に移ることができたようだ。
「うん…。
藍沢先生だったらなんて言う？
灰谷先生に」
返答は、なかった。
こんなとき、迷うことなく言葉を紡ぐことのできる彼女が、本当に羨ましい。
「ヘリが落ちたのは自分のせい、大島さんが亡くなったのも自分のせい。
…Aが怪我したのだって、口に出さないけど…あの子が言わなさないようにしてるだけだけど、きっと。
事実は違うのに、全部自分のせいだと思い込んでる」
「ほっとけ。
事実を客観視できない、灰谷が馬鹿だからだ。
現にAは、灰谷に普通に接してる」
────そんな言い方、あの子の前だったら怒られるよ。
私が何も言わないでいると、藍沢先生がパソコンから顔を上げた。
「…なんだ」
「……私は、灰谷先生のそういうところ、嫌いじゃない。
それに、客観視できてないのは、灰谷先生だけじゃないと思う」
AはAで、今回の件で心には傷を負ってしまっただろう。
彼女だって、目に見えないところでたくさん悩んで、落ち込んで、迷って。
最初から完璧な人間なんて、いない。
「……じゃあ、お疲れ様」
重い足を引きずりながらドアを開けて、外に出る。
もう1度振り返った藍沢先生の背中が、いつもより小さく見える。
────…A。
彼の心情を誰よりも理解できるのは、彼女しかいない。
やっぱり
ひとはそれぞれ、どこか弱さを抱えて生きている。
その弱さを、支えてくれる存在は。
私達にとっては彼女なのだと、戻ってきてから痛感する。
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
