Compensating for failure． -失敗の代償 1- ページ3
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(白石)
「えぇっ!?
Aが熱出したって…てっきりただの体調不良かと思ってたんだけど」
いつもの救命医局、いつもの空気。
少し違うのは、私の隣が空席だということ。
驚く緋山先生に、私もそう思ってたと頷いた。
「私もさっき橘先生に聞いたのよ。
本人薬飲んだら来る気だったらしいけど、さすがに38℃越えは無茶させられないからって」
「それがいいわ、来て倒れられたらこっちがビビるからね」
「ね」
時計を見れば、そろそろ12時を指す頃だった。
そのときドアが開いて、話題の人物の出勤かと思えば、そこにいたのは藍沢先生。
「…悪かったな、Aじゃなくて」
「ちょっと、拗ねないでよ」
緋山先生がそんな軽口を叩いていると、窓を閉めていても救急車のサイレンが聞こえてくる。
────あれ、要請あったっけ？
「…ねぇ、白車の連絡来てた？」
「や、鳴ってなかったと思うけど」
藍沢先生にも目線をくれれば、彼も首を振る。
とにかく、行くしかない。
Aはいないけれど、私達でも何とかしなくては。
いつも救急車が止まる定位置に走った私達は、中に乗っていた人物を見てぎょっと目を見開いた。
「────A!?」
「気管支炎によるチアノーゼ。
意識朦朧、脈拍、呼吸ともに速い。
初療室いま空いてる？」
「ああ、問題ない」
藍沢先生と素早くやり取りを交わすのは、熱があるとは到底見えない香坂A、本人だ。
患者の酸素マスクを押さえながら救急車を降りてきた彼女の後ろには、まっすぐで綺麗な黒髪を揺らす女性がひとり。
患者と同い年くらい────同級生かな。
「あんた何で白車乗って通勤してくるのよ」
「理由はあとあと。
────
「あ…はい！」
緋山先生に軽く手を振って、Aは首だけ後ろを向いて、同級生の女性を促した。
その言葉に、藍沢先生がAの横顔を見つめる。
その視線に気がついた彼女は、小さく苦笑を浮かべた。
────あぁ、ワケありだ。
初療室へ急ぎつつ、私は気合を入れ直すのだった。
彼女から理由が聞けるまで、あと数十分。
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
